ボウイ/ポール/ピストルズら撮影 写真家ジョー・スティーヴンス死去 70年代に英NME誌の表紙担当
2025/08/28 09:34掲載

David Bowie - Photo by Joe Stevens
デヴィッド・ボウイ、ポール・マッカートニー、セックス・ピストルズなど、ミュージシャンやバンドの写真で有名だった、米国人写真家ジョー・スティーヴンスが死去。ボウイのSNSアカウントは、スティーヴンスが8月26日に亡くなったことを伝えています。87歳でした。
ジョー・スティーヴンスは1938年7月ニューヨーク市生まれ。1960年代、スティーヴンスはグリニッジ・ヴィレッジのコーヒーハウスの経営を担当し、そこでミュージシャンの写真を撮り始めた。写真に関する正式な訓練を受けていなかったが、彼は自分がイメージを捉える「目」を持っていると確信し、写真をキャリアにすると決めた。
1972年、ポール・マッカートニーは妻リンダ(ニューヨークで写真家として活動していた頃、スティーブンスと知り合いだった)の推薦でスティーヴンスを雇い、ウイングスの『Wings Over Europe Tour』の撮影を依頼した。
スティーヴンスは1970年代の大半をロンドンでNME(New Musical Express)誌の撮影を担当し、多数の表紙を手がけた。ニューヨークに戻るとCBGBのクラブシーンを撮影し、ブロンディやラモーンズの初期の姿を捉えた。
彼を象徴する写真の中には、スウェーデンでマリファナ所持により逮捕された際にリンダの腕に顔を隠すポール・マッカートニーの姿、愛読していたオズ誌が猥褻な内容が問題となり裁判沙汰になった際にジョン・レノンが抗議で手にビニール袋をはめた姿、1976年ロンドン・ナッシュビル・ルームズでのセックス・ピストルズと観客の乱闘などがある。
1978年1月、スティーヴンスはセックス・ピストルズの唯一のアメリカツアーを撮影した。
スティーヴンスは自らを歴史の記録者と呼んだ。2015年、ソニック・ユースのサーストン・ムーアはスティーヴンスについて「彼はまさにニューヨークとロンドンの架け橋だった。…当時発展しつつあった新音楽の歴史全体において、彼は非常に重要な存在だった」と述べていた。