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ブラック・サバス・フィーチャリング・トニー・アイオミ『Seventh Star』 グレン・ヒューズがツアー開始直後に解雇された真相を語る

2025/08/27 20:06掲載
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Black Sabbath in 1986 (from left): Geoff Nicholls, Tony Iommi, Dave 'The Beast' Spitz, Eric Singer, Glenn Hughes (Image credit: Getty Images/Chris Walter)
Black Sabbath in 1986 (from left): Geoff Nicholls, Tony Iommi, Dave 'The Beast' Spitz, Eric Singer, Glenn Hughes (Image credit: Getty Images/Chris Walter)
ブラック・サバス・フィーチャリング・トニー・アイオミ名義で1986年にリリースされたアルバム『Seventh Star』。ヴォーカルに起用されたグレン・ヒューズ(Glenn Hughes)は、本作に伴うツアーにも参加しますが、わずか数公演後に解雇されました。ヒューズは解雇の真相をMusicRadarの新しいインタビューの中で語っています。

トニー・アイオミ(Tony Iommi)は当時、ソロ・アルバムを制作中で、当初、ヒューズ、ロブ・ハルフォード、ロニー・ジェイムス・ディオといった複数のシンガーを起用することを考えていました。

ヒューズによると、1985年にアイオミから連絡があった際、ブラック・サバス(Black Sabbath)についての話は一切なかったという。「ソロ・アルバムの何曲かで歌えないか聞かれたんだ。ロニー・ジェイムス・ディオとロブ・ハルフォードがそれぞれ数曲歌う予定で、俺も数曲担当するって話だった」。その後、最終的にヒューズだけが参加するようになりました。

ヒューズはこう続けています。

「(ディープ)パープルが終わった時、ああいう壮大なロックミュージックを作ることに、ある意味終止符を打ったんだ。敬意と畏敬の念を持って言うけど、俺はブラック・サバス・タイプのシンガーじゃなかった。全然メタルアーティストじゃないんだ。『Seventh Star』の曲を聴けば分かるけど、あれはサバスじゃないだろう? 正直なところ、このアルバムを何十年も聴いていないけど、人々はそれについて話題にする。いくつかのリフはかなりヘヴィだったけど、歌詞とメロディの面では、俺はメタルシンガーじゃないんだ」

『Seventh Star』がブラック・サバスのアルバムとなったのは、バンドのレコード会社ワーナー・ブラザーズとマネージャーのドン・アーデン(シャロン・オズボーンの父)がアイオミに圧力をかけたためでした。ヒューズはこう振り返っています。

「ドン・アーデンは“ワーナー・ブラザーズは、もっと売るためにサバス・フィーチャリング・トニーにするべきだと言っている”と行っていた。トニーはそれを快く思わなかった。そしてもちろん、俺には何も発言権がなかった。結局、ワーナー・ブラザーズとドン・アーデンが望むことに従わざるを得なかったんだよ」

本作に伴う米国ツアーが開始されましたが、わずか数公演後にヒューズは解雇され、アメリカ人ヴォーカリストのレイ・ギランに交代しました。ヒューズは解雇について、こう振り返っています。

「あれは辛かった。問題があって、ツアーが始まる前日にプロダクションマネージャーと喧嘩になったんだ。奴は俺の顔を殴り、俺は鼻の骨を折った。その結果、声帯の周りに血が固まってしまい、3公演の後に歌えなくなってしまったんだ。不可能だったんだよ。

今振り返ると、誰がやったにしても恐ろしい話だよね。誰が殴ったか、誰が何を言ったか、誰が何をしたかに関わらず、顔を殴られて歌えと言われるのは誰にとっても辛い瞬間だよ。俺とトニーにとって非常に悲劇的な瞬間だった。過去を変えることはできない。トニーのことは心から大好きだし、彼との仕事は興味深かった。だけど、あの時期は全員にとって困難な時だったんだ」

これは彼のキャリアにおける最低の瞬間の一つでしたが、ヒューズは後悔していないという。

「80年代半ばに俺に起こったすべてのことが、今の俺を作った。俺は今もこの仕事を続けている。敬意と尊敬を込めて、俺はトニーのことが大好きだし、ブラック・サバスも大好きだ。そのすべてに深い敬意と愛を持っているよ」