
Cradle of Filth, photo by Jakub Alexandrowicz
英メタル・バンドのギタリストは、ツアー終了後にバンドを脱退すると発表し、「低賃金なのに仕事量が多く、ストレスも非常に高く、このバンドがメンバーを大切に思っていると感じられない」と批判。その声明発表から数時間後、バンドはこのギタリストを即時解雇したことを発表しています。
このバンドは英国のエクストリーム・ゴシック・メタルバンド、
クレイドル・オブ・フィルス(Cradle of Filth)。
2014年からギターを担当していたマレク・“アショク”・シュメルダは、現在行われているラテンアメリカツアー終了後にバンドを脱退することを発表しましたが、その数時間後にバンドのヴォーカリストであるダニ・フィルスが即時解雇を発表しています。
この数日前の8月24日にはシュメルダの妻でキーボード/バックシンガーのゾーイ・M・フェデロフが「個人的な理由」でツアー途中でクレイドル・オブ・フィルスから脱退していました。
シュメルダはSNSで夫妻の脱退について次のように述べました。
「クレイドルが僕たちの将来を支えられるとは到底思えず、むしろ妨げになると感じています。理由はいくつかありますが、比較的低い報酬に対して多くの仕事量があること、ストレスが非常に高いこと、そしてこのバンドが実際にメンバーを優先したり気にかけたりしているとは長い間感じられなかったことが挙げられます。僕たちの上の人たちによる長年にわたるプロフェッショナルとは言えない行動が、今回の決断に至らせたのです。
また、今後のリリース作品から僕が作曲したすべての楽曲を削除するよう求めました。。これにはエド・シーランとのコラボ曲も含まれます。今の僕にとって、この曲はもはや愚かな道化師のふざけた行為に思える。当初は子供たちのためのチャリティーシングル、次に利益目的のシングル、その後アルバム収録曲となり、今や何になるか分からない。もうこれ以上関わりたくない。これはエド・シーランに対して失礼な意味ではないよ」
その後、妻のフェデロフはさらに火に油を注ぐ形で第二の声明を発表。その中で彼女は、ダニ・フィルスとバンドのマネジメントが「脅迫的」「虐待的」な雰囲気を醸成し、「非常に低い賃金で私たちを搾取している」と非難しました。
これを受けて、ダニ・フィルスは声明でこう発表しています。
「クレイドル・オブ・フィルスは、ギタリストのマレク・“アショク”・シュメルダを即時解雇することを正式に発表します。
バンドを不法に誹謗中傷し妨害しようとするあらゆる試みにもかかわらず、クレイドル・オブ・フィルスは南米公演を一切キャンセルしません。ただし、数日中にアショクの代役がツアーに合流するまでの間、ライブではギタリスト1人での演奏となる点をご了承ください。
この不愉快な事態についてご理解いただき感謝します。我々はこの出来事に衝撃を受けており、後日、この不幸な出来事に関する我々の見解をお伝えします。ツアー終了時ではなくアショクとの決別を今決断した我々の判断を尊重し、状況がより明確になるまで憶測を避けてください。
残りのメンバーは動揺しつつも冷静です。私やバンドと密接に連携するマネジメントへの非難は全く不当かつ根拠のないものです。
忍耐は美徳であり、真実は必ず明らかになります」