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ロブ・ハルフォードが同じシンガーとしてオジー・オズボーンを評価している点はどこなのか語る、音楽的な観点で見るブラック・サバスの魅力も

2025/08/25 19:39掲載
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Rob Halford, Ozzy Osbourne 2018
Rob Halford, Ozzy Osbourne 2018
ジューダス・プリースト(Judas Priest)ロブ・ハルフォード(Rob Halford)が同じシンガーとしてオジー・オズボーン(Ozzy Osbourne)を評価している点はどこなのか?Ultimate Classic Rockの新しいインタビューの中で語っています。また音楽的な観点で見るブラック・サバス(Black Sabbath)の魅力、サバスの代役ヴォーカルを務めた時のこと、オジーの葬儀の日にしたことも語っています。

Q:音楽的な観点で見るブラック・サバスの魅力は?

「何よりもまず、サバスの音楽にはシンプルさがある。すべてではないが、その大部分において、構造やフォーマットは非常にシンプルで、非常に親しみやすい。何もぶつかり合っていない。今の音楽の多くは、層が重なり合い、みんなが自分の音を押し出そうと争っているようなものだ。でも、サバスの最初の数枚のアルバムを聴くと、演奏者それぞれの細かなニュアンスがはっきりと聴き取れる。もしビル(ワード)があの特定のドラムパターンを叩いていなければ、どうなっていたか…。

俺たちは“War Pigs”のトリビュート演奏をやったが、スコット(トラヴィス)はビルのようなドラムは叩かない。彼はビルをドラマーとして本当に尊敬していたので、彼はビルのように叩くことを学ばなければならなかった。俺が言いたいのは、ビルのドラムの叩き方は独特で、ギーザー(バトラー)のベースの弾き方も独特で、トニー(アイオミ)のギターの弾き方も独特だということ。その構造の独自性、音楽性の独自性が、サバスを音楽的に信じられないほど唯一無二の存在にしている。俺はいつもそうしているように今日もサバスを聴いた。自分たちがあまりにも原点から離れすぎないようにするためだ。プリーストのアルバムはどれも非常に冒険的になっているが、俺たちのアルバムの多くはシンプルさとフックが基本だ。フックとメロディだよ。

(インタビュアー:オジーを同じシンガーとして評価する点はどこですか?)

彼の声だ。サバスの他のメンバーについて話したように、彼の声も独特だ。あの声だよ。彼の声は本当に唯一無二だった。パフォーマンスもそうだ。俺たちシンガーは皆、自分なりのやり方で、自分だと認識される何かを追求しようとしている。オジーはそれを決して変えなかった。サバスのアルバムでのオジーの歌い方を聴いても、ソロでの歌い方を聴いても、大きな変化はない。スタジオでの作業からくる声の質感の微妙な違いはあったかもしれないが、それでもやはりオジーだった。

オジーの好きなところは、彼があまり考えすぎなかったこと。俺は世界一の考えすぎ人間だ。“落ち着け、シンプルにしろ、考えすぎるな”と自分に言い聞かせているが、でもそれが私の本質だし、脳の仕組みなんだよ(笑)。オジーの場合は、まるで意識の流れのようで、そういうところは本当にロニー(ジェイムス・ディオ)に似ている。迷いがないし、ただ流れに任せている。それが感じられる。彼のシンガーとしてのパフォーマンスには純粋さと誠実さがあり、俺はいつもそこに惹かれていた」

ハルフォードはブラック・サバスと過去に共演したことがあります。最初の機会は1990年代初頭で、オジーの『No More Toiurs』フェアウェル・ツアーのカリフォルニア公演2公演でブラック・サバスがオープニングアクトを務めることになった時です。ディオがサバスのフロントマンを務めることを拒否したため、ハルフォードが代役を務めました。次は2004年の『オズフェスト』のニュージャージー州カムデン公演でした。この2つのライヴの準備はどのようにしましたか?と尋ねられたハルフォードはこう話しています。

「(ロニーの代役を務めたライヴでは)トニー、ギーザー、ビルがツアー中でフェニックスに来ていたので、そこで一緒にジャムをして準備したよ。最近知ったんだけど、俺たちがやっている時、オジーが横で頭を振りながら見ていたようなんだ。俺はそれを知らなかったんだけど、親しい友人が“オジーがみんなにグッドサインを出していたよ”と言っていたよ。

もう一度は2004年の『オズフェスト』のニュージャージー公演で、本当に突然のことだった。フィラデルフィアのホテルの部屋にいたら、シャロン(オズボーン)から電話がかかってきて、“ロビー、助けてくれない? オジーが声を失ってしまったの”と言われた。俺は“何をすればいい?”と尋ねると“代わりに歌ってくれる?”と言われたので、俺は“いつでもいいよ”と答えた。すると彼女は“今夜”と言ったので俺は“今夜?”と驚いたよ。そのツアーにはプリーストもサバスも一緒だったんだ。“マジか!”と思ったよ。彼女は“サバスの曲は全部知ってるでしょ?”と言ったので俺は“知ってるけど、急すぎるよ!”と答えた。彼女に“最近数公演のVHSテープを宅配便で送ってくれない? 会場に向かう途中でチェックするから”と頼んだ。フィラデルフィアのホテルから会場までのバスの後部ラウンジで、その映像に合わせて歌ったよ。それが唯一の準備だった。プリーストのライヴを終えた後、すぐにシャツを着替えてサバスのライヴに出たんだ」

ハルフォードはオジーの葬儀に招待されていましたが、プリーストのヨーロッパツアーからアリゾナの自宅に戻ったばかりだったこと、そしてそもそも葬儀が好きではなかったこともあり、彼は自分なりの方法で追悼することを選んだという。

「それぞれのやり方で悲しむことを認めることが大切だ。俺の場合は、彼の葬儀が行われたその日は(オジーが亡くなった)その日と同じことをした――彼の音楽をたくさん聴き、彼のビデオを観た。それが、友人として、葬儀が行われている間に彼に敬意を示す俺なりの方法だったんだ」