スーパートランプ(Supertramp)楽曲の著作権使用料(ロイヤルティ)をめぐる長年の法廷闘争が終結。
訴えたバンドメンバー3人(ベーシストのダギー・トムソン、サックス奏者ジョン・ヘリウェル、ドラマーのボブ・シーベンバーグ)は、楽曲を作曲していないため、通常であれば著作権使用料を受け取る権利はないのですが、元スーパートランプのリードシンガー、ロジャー・ホジソンと、バンドの中心的メンバーであるリック・デイヴィスは1977年にバンドメイトの経済的な困難を緩和するために、著作権を共有することに合意していました。
連邦控訴裁判所は8月20日、ホジソンがヒット曲の著作権使用料を、他のバンドメンバーと分配しなければならないとの判決を下しました。これにより、トムソン、ヘリウェル、シーベンバーグは、ホジソンから再び著作権使用料を受け取るようになりました。
この紛争は、ホジソンが2018年にスーパートランプの著作権使用料をバンドメンバーと分配しないことを決定したことに端を発しています。ホジソンは2024年の裁判で勝訴し、ロサンゼルスの陪審は、40年以上にわたるスーパートランプの収益分配契約を終了することは妥当であると判断しました。
しかし、連邦控訴裁判所は20日の判決で、この判決を覆し、この訴訟は陪審員に委ねるべきではなかったとの判断を下しました。連邦控訴裁判所は、法律上、1977年の契約では、スーパートランプの楽曲が収益を上げている限り、ホジソンはトムソン、ヘリウェル、シーベンバーグと楽曲の著作権使用料を分配し続ける義務があると判断しました。
スーパートランプは1973年のバンド結成から1979年の『Breakfast in America』の商業的成功までの間、原盤権のロイヤリティとツアーの収益はすべて、A&Mレコードから受け取った前払い金の返済に充てられていました。つまり、ホジソンとデイヴィスが著作権使用料で収益を上げている一方で、他のバンドメンバーはまったく収益を得ることができなかったのです。
そこで1977年、ホジソンとデイヴィスは、楽曲の著作権使用料の分配割合を50%から27%に減らし、トムソン、ヘリウェル、シーベンバーグ、そしてスーパートランプのマネージャーにそれぞれ11.5%を分配することに合意しました。ホジソンは裁判で、「バンドの機能を維持し、メンバーを幸せにするため」にこの措置を講じたと証言しました。
ホジソンは1983年にスーパートランプを離れましたが、1977年の契約条件に基づき、2018年まで楽曲の著作権使用料を分配し続けました。