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デスメタルの先駆者バンドの初代シンガー 「大型犬の唸り声」を真似ることでデスヴォイスを確立させたと明かす

2025/08/21 18:13掲載
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Kam Lee
Kam Lee
デスメタルの先駆者バンドの初代シンガーは「大型犬の唸り声」を真似ることでデスヴォイスのヴォーカル・スタイルを確立させたと明かしています。

デスメタル・サウンドの先駆者として広く知られている、米フロリダのデスメタル・バンドのDEATH。その創設メンバーの一人で、バンドではドラムを担当し、初代ヴォーカリストでもあったキャム・リーはSoundterrorでインタビューに応じています。

インタビュアーが、多くの人にとって、初期のMANTAS(後にDEATHと改名)やDEATHのデモを「デス・メタルのデスヴォイス(グラウル・ヴォイス)の発祥の地」と考えていると指摘するとリーはこう語っています。

「まあ、DEATHやMANTASとして、DEATHを始めた頃は、基本的に影響を受けたものを真似することから始めたんだ。テープの交換をしていたからね。俺はいろんなところからたくさんのテープを手に入れていた。例えばPOSSESSEDはもちろん大きな影響を受けたし、カナダのSACRIFICEのテープもあった。シカゴからはPaul Speckmann(DEATH STRIKE、MASTER)のものもあったし、海外では初期のHELLHAMMERもあった。VENOMのテープもあって、MANTASの初期には大きな影響を受けていた。

だから、それらすべてを組み合わせようとしていた感じだね。それに、16歳で未成年だったから、ただ叫んでいるような感じだった。怒りや憤りがあったし、俺はパンクの世界から来ているから、そういう感情を表現したかったんだ。それに同時にドラムも叩いていたからね。いろいろ試していたんだよ。

デスヴォイス(グラウル・ヴォイス)を見つけたのはMASSACREの時で、その時に本当に変化した。それまではもっとスクリーミング寄りのヴォーカルだったんだ。その頃にはチャック(シュルディナー/ヴォーカル、ギター)も歌い始めていて、彼は(POSSESSEDの)ジェフ・ベセーラからの影響を強く受けていて、ジェフのようなヴォーカルを目指していた。俺は“誰かの真似はしたくない”と思って、自分だけのものを探そうとしていたんだ。

で、最も原始的なものは何だろうと考えた。多くの人は『エクソシスト』のような悪魔映画の影響だと言うけれど、それは俺にとって最も自然なことで、身の毛がよだつことだった。

俺が育った環境にはロットワイラーやピットブルのような大型犬がたくさんいて、14歳の時に一番怖かったのは、4、5匹のロットワイラーに餌をあげに行くことだった。大型犬と接したことがある人ならわかると思うけど、餌の入った皿を持ってくると、彼らはみんな低い唸り声をあげるんだよ。優位に立ちたい、支配したいという本能からで、それは本当に身の毛がよだつようなものだった。俺はヴォーカルでも、そういう身の毛がよだつようなことをやりたかった。原始的で、生々しくて、自然な音を出したかった。だから、犬の声を真似るようになった。それがまさに、デスヴォイスの始まりなんだ」