HOME > ニュース >

ジョン・フォガティ、CCR楽曲の権利を取り戻すための50年間の闘争を回想 「不当に投獄され、何年も刑務所に送られたようなものだよ」

2025/08/19 19:01掲載
メールで知らせる   このエントリーをはてなブックマークに追加  
John Fogerty (Image credit: David McLister)
John Fogerty (Image credit: David McLister)
ジョン・フォガティ(John Fogerty)は2023年、50年にも及んだ法廷闘争の末、CCRことクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル(Creedence Clearwater Revival)の自身の楽曲の権利(音楽出版権/著作権)を取り戻しました。フォガティは英ガーディアン紙の新しいインタビューの中で、権利を取り戻すための長い戦いについて振り返っています。

フォガティは、自身の楽曲を巡る闘争の年月を振り返り、ため息をつきながら「僕の身に起きたことを最も適切に表現するなら、不当に投獄され、何年も刑務所に送られたようなものだよ」と語っています。

フォガティの苦境は、CCRが1967年にソウル・ゼインツのファンタジー・レコードと契約した60年近く前に始まりました。フォガティは、この契約条件を不当と考えるようになり、何年もファンタジー・レコードからの離脱を図りました。この契約から逃れるため、フォガティは1980年にゼインツにアーティスト印税を譲渡し、その後何十年もゼインツから支払いを受けることはありませんでした。

その後、フォガティとゼインツによる法廷闘争が始まり、泥沼化しました。ゼインツは、フォガティの1985年のソロ・ヒット曲「The Old Man Down the Road」がCCRの「Run Through the Jungle」を模倣したとしてフォガティを盗作で訴えたこともありました(これはフォガティが勝訴)。

これら訴訟は数十年にもわたって行われ、フォガティは精神的疲労でミュージシャン活動を事実上休止していた時期もありました。この時期の辛さについて、フォガティは今、こう振り返っています。

「自分が本当に神経衰弱(ノイローゼ)になったとは思わなかったけど、健康ではなかったと言えるだろうね。安定していなかったし、冷静でも普通でもなかった。それは奇妙な形で現れた。例えば、靴下を買おうとデパートに入ったけど、あまりにも複雑すぎて店員に近づくことができなかった。情けない話だ。

(インタビュアー:そんなことはありません。深刻な病気だと感じました)

そうだね。精神科医に診てもらったかもしれないけど、その時はちょうど流れの中で泳いでいて、ただ必死に頭を水面の上に出そうとしていたんだ」

フォガティの怒りは、彼を周囲の人にとって扱いにくい存在にさせたという。

「優しく、謙虚でいようとしたけれど、爆発してしまうこともあった。人前で現れることもあれば、一人でいても現れることもあった。人がいないところで一人で釣りをしている時にも、道具のことで怒り狂うことが何度かあった」

2004年、コンコード・レコードがファンタジー・レコードを買収すると、誠意ある対応を取ります。フォガティが1980年にザエンツに譲渡したアーティスト印税を復活させ、それから19年後の2023年、フォガティはコンコードからCCR楽曲の権利(音楽出版権/著作権)を取り戻しました。

フォガティはCCR時代の名曲をいくつか再録したアルバム『Legacy: the Creedence Clearwater Revival Years』を8月22日に発売します。このアルバムを制作中、「Proud Mary」のヴォーカル・トラックを聴き返していた時、彼はある重要な瞬間を過ごしたと振り返っています。

「いわゆる啓示のようなものがあったんだ。演奏は本当に素晴らしかったけど、リード・ヴォーカルはそれに比べて見劣りしていた。それで、ようやく気づいたんだよ。“ジョン、君が昔これを歌った時、それは君にとって生きるか死ぬかの問題だったんだよ”。貧困ではなかったけれど、経済的には苦しい境遇の出身だった。偉大になることは、僕の中に存在する最高のものを追求する上で、非常に重要で必要不可欠なことだったんだ。その時、まるで門を通り抜けたかのように感じて、再びあの頃の自分に戻ろうと必死になった。そうやって“Proud Mary”の制作を続け、最終的にはとても満足できる場所にたどり着いた。

妻はコントロールルームから僕を見て、僕の表情を見て、本当に自分を過去に戻そうとしているのが分かったと言っていた。だから残りの曲も同じように取り組み続けたんだ。僕はただの冒険者なんだ。故郷に戻ってきた探検家のようなものなんだよ」