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スティーヴ・ヴァイ、特別な存在であるアラン・ホールズワースについて語る

2025/08/15 13:59掲載
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Steve Vai and  Allan Holdsworth
Steve Vai and Allan Holdsworth
スティーヴ・ヴァイ(Steve Vai)にとって、アラン・ホールズワース(Allan Holdsworth)は特別な存在だという。その理由について語っています。

スマッシング・パンプキンズのビリー・コーガン(Billy Corgan / William Patrick Corgan)がホストを務めるポッドキャスト『The Magnificent Others』の新しいインタビューの中で、「もしギタリストがガンマンだとしたら“今日は無理だ”と思う相手は誰か?」と尋ねられたヴァイは「アラン・ホールズワース」だと即答しています。

コーガンは「僕にとってホールズワースは今でも謎めいた存在だ。彼の影響力や技術的な熟練度、そして演奏の流麗さ(もしそう言って差し支えないなら)は確かに理解できる。でも、彼の作品に感情的なつながりを感じたことはない」と言うと、ヴァイはこう話しています。

「そうだね、彼の音楽は、より知的な洗練されたものなんだ。洗練されたリスニング体験で、僕の脳の特定の部分をくすぐる。あらゆる要素が詰まっているからね。

アラン・ホールズワースやジェフ・ベックのような人たちに最も惹かれるのは、彼らが真の職人だということ。特にアラン・ホールズワースに強く惹かれる理由は、彼の音楽的思考が唯一無二だからだよ」

フランク・ザッパとホールズワースは、ヴァイの卓越した譜面起こし能力を求めていました。最終的にザッパはヴァイをスカウトし、ホールズワースは自身の本を完成させるためにヴァイの助けを必要としていました。

「1980年にカリフォルニアに引っ越したとき、ちょっとしたお金稼ぎに譜面に起こす仕事をしていた。そしたら彼から電話がかかってきたんだ。彼は自分のワイルドなコードやクレイジーなことについての本を書いている最中だったんだけど、アランは伝統的な音楽をあまり理解していなかったんだ」

これが、ホールズワースが他の人とは全く異なるサウンドをどのようにして手に入れたのかを理解する上で重要なポイントでした。

「彼には独自のキャブラリーがあった。コードの作り方も独特で、ネック上でのコードの動き方に対する彼なりの独自の理解があったんだ」

コーガンは、このヴァイの説明で、ホールズワースのことをようやく理解できるようになってきたという。

「彼を少し理解できたよ。なぜ君のような実力者が彼の名前を挙げるのか、ずっとわからなかったんだ。エディ・ヴァン・ヘイレンもホールズワースについて語っていたよ」

ヴァイはこう続けます。

「これは単に彼の音楽的な思考なんだ。彼はそれを譜面に起こす方法さえ理解していなかった。本を書くために必要だったから、僕がその部分を手伝ったんだよ」

ヴァイはホールズワースの作品を譜面に起こすことで、彼の才能をより深く理解することができたという。

「その過程で気づいたんだ。もし無人島に人を置き去りにして、わずかな道具だけ与えたら、本当に才能のある人は何かを作り上げるものだ。それがアランのやったことなんだ。彼の音符へのアプローチは、多くの人には音符が狂ったように散らばっているように聞こえるかもしれない。でも音楽理論とメロディの点と点をつなぐことに興味があるなら...」

コーガンは、同じくミュージシャンだった父親がウェス・モンゴメリーの演奏を見て、心の底から「あのレベルには到底及ばない」と悟った話を思い出しています。「とてもあんな風には弾けない」と。ヴァイも共感し「ジョー・パスやアランの演奏を見た時、僕も同じ気持ちだった」と話しています。

ジョー・パスとホールズワースにはもうひとつ共通点があります。パスもまた、伝統的な音楽理論の知識を持っていませんでした。ヴァイはこう主張しています。

「だからこそ、あれほどまでに刺激的なんだ。退屈なジャズ演奏は、コードを知っている人たちが、耳に響くアルペジオを弾くだけ。そこに魂がこもっていない。それは精神的なもので、魂から湧き上がってくるものではない。それはそれでいい、一つの過程だ。しかしアランのような、あるいは偉大なジャズプレイヤーたちは、そういう理論すら知らないんだよ…」