トーキング・ヘッズ(Talking Heads)のメンバー4人は2023年、『ストップ・メイキング・センス』の劇場再公開のプロモーションの一環として再結集しましたが、残念ながらこれがバンドの再結成には繋がらず、フロントマンの
デヴィッド・バーン(David Byrne)は米ローリングストーン誌の新しいインタビューの中で、再結成は決して起こらないと断言しています。
バーンは2023年のバンドメンバーとの再会について振り返り、その経験は「まあまあだった」と語っています。
「僕たちは、あのイベントと(監督の)ジョナサン・デミが作った映画をとても誇りに思っている。観客がまだそれを観たいと思ってくれていることに感激した。だから僕たちは意見の相違を脇に置いて、“OK、そこには立ち入らないけど、この作品の宣伝は手伝おう”と決めたんだ。
お互いに以前よりは居心地が良くなったが…“またツアーに出よう”とか“新しいアルバムを作ろう”とは思わなかった。音楽的には、僕はまったく違う場所へ進んだからね。それに、再結成のアルバムやツアーは結構あったと思う。その中には良いものもあったかもしれないが、そう多くはない。
その当時の自分の状態を再現するのはほぼ不可能だ。観客にとっても…あの音楽は彼らの人生の特定の時期に形成されたものだった。彼らはそれをもう一度体験できると自分に言い聞かせるかもしれないが、実際にはそれはできないんだよ」
しかし、バーンはファンから再結成を求める願いや憶測が絶えないことについては理解しているという。
「僕も他の人と同じように音楽ファンだ。僕の人生で音楽がとても重要だった時に聴いたアーティストやバンドが活動を停止したり解散したりしたケースもある。もしかしたら、その時にリアルタイムで聴いていなかったかもしれないし、聴き逃してしまったのかもしれない。今ライヴで観たいと思うけど、でも時間を巻き戻すことはできない。人生のある時点で聴いた音楽は大きな意味を持つ。でも、そこに戻ってまた同じことを起こすことはできないんだよ」
バーンによると、今後のソロ公演でトーキング・ヘッズの楽曲を「組み合わせて」演奏する可能性は高いようですが、そうすることは「本当の罠」だと認識しているいう。
「古い楽曲をやりすぎると、昔のヒット曲を演奏するレガシー・アーティストになってしまう。すぐに儲けは出るかもしれないが、結局は自分で穴を掘ることになる」