
Pink Floyd / Atom Heart Mother
英国の一部の酪農家は、牛に音楽を流す取り組みを始めています。当初、牛を落ち着かせるために音楽を流し始めましたが、現在ではジャズやクラシック音楽は牛の搾乳量の増加にも役立つとも考えられているという。英BBCが報告しています。
BBCの取材に応じたウォリックシャーのヌニートンを拠点とする酪農家チャールズ・ゴードビーによると、牛に音楽を聴かせ始めたのは約10年前だという。
「ロボット搾乳システムを導入した際、新しい騒音がたくさん発生したので、それらを消すために音を流すことにしたんだ。約10年前のことで、とある人が“牛はクラシック音楽が好きだ”と言っていたから、少しでもリラックスできるように、クラシックのラジオ局を流すことにしたんだよ」
当初は牛を落ち着かせるために音楽を流し始めましたが、今はこの音楽が搾乳量の増加にも役立つとも考えているという。
ゴードビーは、「パブロフの犬」の理論から、音楽が牛を物理的・精神的に搾乳に備えさせる可能性があると説明しています。「パブロフの犬」は、ロシアの生理学者イワン・パブロフが行った実験で、犬にベルを鳴らしてから餌を与えることを繰り返すと、最終的にベルの音を聞いただけで犬が唾液を出すようになる現象です。
ゴードビーはこう続けています。
「搾乳場ではいつも音楽を流しているよ...スタッフが聴くためだけではない。パブロフの犬の理論に少し似ていて、(牛の)感覚を目覚めさせることで、ホルモンの分泌を促すんだ。実際、牛は少し早く乳を出し始めるようになったし、搾乳の流れも少し速くなった。牛にも作業員にもリラックス効果があり、まさに双方にとってメリットがあるんだよ」
牛はどのようなジャンルの音楽が好きなのでしょうか? ゴードビーは、牛はおそらくどんな種類の音楽にも反応するだろうと話しています。
「TikTokとかで見かけるように、牧場の端に立って、どんな音楽をかけても、牛は寄ってくると思う。彼らはただ好奇心から何をしているのか見たいだけなんだ。特に驚くようなことをしなければ、牛たちは近寄ってきて好奇心から見て回ろうとするだろうね」
ウォリックシャーの別の酪農家ロブ・ハドリーもこう話しています。
「ジャズにとてもリラックスしているけど、おそらく何でも受け入れるだろうね。オジー・オズボーンとかもね。でも、正直なところ、オジー・オズボーンの曲をかけたら、彼らを驚かせてしまうだろうね」