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『バック・トゥ・ザ・フューチャー』有名シーンのギターは40年間所在不明 捜索プロジェクトに50年以上所在不明だったポールのベースを発見した人物が加わる

2025/08/07 10:46掲載
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Back to the Future | Marty McFly Plays
Back to the Future | Marty McFly Plays "Johnny B. Goode" and "Earth Angel" © 1985 Universal City Studios, Inc. All Rights Reserved.
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で主人公マーティが「ジョニー・B.グッド」を演奏する有名なシーン。マーティ役のマイケル・J・フォックスが弾いているギター(ギブソンES-345)は、実は40年もの間、どこにあるのか分かっていません。ギブソンは2025年6月より、この象徴的なギターの捜索プロジェクト『Lost to the Future』を始動させており、世界中からこのギターの所在に関する情報を求めています。

ギブソンは新たに、このギターの捜索に関する最新情報を発表し、象徴的なES-345を取り戻すために、2024年に50年以上所在不明だったポール・マッカートニーのベースギターを発見した調査ジャーナリストを新たにプロジェクトに迎えたことを発表しています。

ギブソンとユニバーサル・ホーム・エンターテインメントは、映画監督のドック・クロッツァーと共同で、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でマーティが弾いているギター、ギブソンES-345チェリーレッドを探すプロジェクト「Lost to the Future」を6月に開始しました。クロッツァーはこのプロジェクトについてのドキュメンタリー映画の制作も計画しています。

このギターは、ヴィンテージ・ギター界のカリスマ、ノーマン・ハリスが運営する、ロサンゼルスの老舗ギター・ショップ『Norman’s Rare Guitars』から小道具としてレンタルされたもので、1985年からどこにあるのか分からない状態になっており、ギターの手がかりは完全に途絶えています。どうやら、一度売却された後、『Norman’s Rare Guitars』に買い戻され、おそらく再び売却されたようです。

ギブソン入社前に『Norman’s Rare Guitars』で働いていた経験もあるギブソンのブランド・エクスペリエンス・ディレクターであるマーク・アグネシは6月、米ビルボード誌にこう語っていました。

「当時は、そのような記録はデジタル化されておらず、すべて手書きの領収書などでした。ノーマンズに(一度)戻ったことは確認しています。1980年代半ばには、日本のヴィンテージ・ギターブームがあり、チャーターバスで来た日本人観光客が目につくものを片っ端から買い漁っていました。そのため、このギターは日本にある可能性もあります。私たちには分かりません。所在の可能性は無限にあるでしょう」

マーク・アグネシはギブソンTVのYouTubeチャンネルで最新情報を発表し、この捜索が6月に発表されてから、ギターコミュニティから多数の情報提供が寄せられていると話しています。

「たくさんの情報を提出していただき、改めて感謝申し上げます。情報提出の追跡は大変な作業でした。あまりに大変でしたので、助けを求めなければなりませんでした。スコットとナオミ・ジョーンズという二人の調査ジャーナリストを迎え入れました。彼らは『ロスト・ベース・プロジェクト』でご存知かもしれません。彼らは現在、正式に私たちの調査チームに加わり、寄せられた情報を整理するのを手伝ってくれています」

『ロスト・ベース・プロジェクト』は、ドイツの老舗の楽器メーカー、ヘフナーが2022年に立ち上げたプロジェクトで、1972年から所在不明だったポール・マッカートニーのヘフナー・ベース・ギターを捜してほしいと世界中の人々に呼びかけていました。このプロジェクトにスコットとナオミ・ジョーンズは2024年に参加し、所在不明になってから50年後に発見する手助けをしました。このベースは最終的にはイギリスの屋根裏部屋で埃をかぶっているのが見つかり、そして、ポールの手に戻って再びステージに登場しています。

マーク・アグネシはYouTubeでこう続けています。

「このギターを持っている人は、自分が持っていることに気づいていないかもしれません。もし家にギターがあるなら――両親が弾いていたり、祖父母が昔弾いていたりとか――近所にギターがあるなら、何でもいいです。とにかく、ケースを開けて中を見てみてください、たとえ何を見ているのかわからなくても。ケースを開けて写真を撮り、その写真と情報を私たち(info@losttothefuture.com)に送ってください。私たちがギターの特定をお手伝いします」

もしギターが見つかった場合、どうなるのでしょうか? マーク・アグネシはこう話しています。

「このギターを返してくれるとは思っていません。私たちがやろうとしているのは、このギターを見つけてマイケル・J・フォックスに再会させることだけです。あのシーンはあの世代の多くの子供たちにとって、とても重要なものでした。僕自身もそうです」

ギターの所在に関する情報をお持ちの方は、詳細について losttothefuture.com をご覧ください。

マーティが弾いたギターのギブソンES-345は映画の舞台である1955年当時はまだ発売されていなかったというのは有名な話です(開発は1958年、販売は59年から)。以前にギターを提供したノーマン・ハリスが、このギターに決まるまでの舞台裏について話していました。詳しくはこちら