ニルヴァーナ(Nirvana)『Nevermind』のミキシングは
アンディ・ウォレス(Andy Wallace)が担当しましたが、これは
カート・コバーン(Kurt Cobain)が
スレイヤー(Slayer)のファンだったからだとウォレスが新しいインタビューの中で語っています。
ウォレスはスレイヤーの3枚のアルバム、『Reign in Blood』『South of Heaven』『Seasons in the Abyss』でミキシングを手がけていました。
『Nevermind』のミキシングは、同作をプロデュースした
ブッチ・ヴィグ(Butch Vig)が手がけたヴァージョンも存在しますが、コバーンは『Nevermind』にもっと攻撃的なミックスが必要だと考え、ウォレスに声をかけたという。
ウォレスはリック・ビアートにこう語っています。
「どういった経緯でそうなったのか興味深いよね。詳しい経緯は知らないけど、(同アルバムをプロデュースした)ブッチ・ヴィグがアルバムのミックスをしたのは知っていたし、そのミックスも聴いたよ。良かったよ。ブッチはとても才能があるけど、カートは別の誰かに試してもらいたかったのだと思う。
たぶんだけど、彼はもっと攻撃的なものを求めていたからだと思う。彼が“スレイヤーのアルバムを手がけたあの男が欲しい”と言っていたと聞いたことがある。カートとはその件について話したことはないけど、おそらくそれは本当だと思うよ。
ミックスに関しては、いくつか自分が求めていることがあった。大きな部分は本当に大きくて攻撃的に、まさに目の前に迫ってくるようにしたかったんだ。幸いにも、パフォーマーたちがそれを実現してくれた。デイヴ(グロール)は狂ったように演奏してくれたよ。
もう一つは、スレイヤーの多くの楽曲とは違って、ダイナミクスを最大限に活用したかった。“Smells Like Teen Spirit”のイントロは段階的に進んでいく。まず顔をビンタされて、次に突かれて、最後にパンチを食らう感じだね」
コバーンは1992年にGuitar World誌のインタビューの中で次のように語っていました。
「メタルにはあまり興味がないけど、スレイヤーがあれほど過激でありながら成功していることは尊敬している。彼らはただ突き進むだけだ。それが彼らが偉大な理由だ。彼らは音楽以外には何も興味がない」