HOME > ニュース >

バディ・ガイ 89歳になった今も現役を続ける理由語る「みんなブルースを聴くと大好きになる。でも十分に聴く機会がない。だからこそ俺はまだここにいるんだ」

2025/07/30 18:23掲載
メールで知らせる   このエントリーをはてなブックマークに追加  
Buddy Guy (Image credit: Jeremy Chan Photography / Getty Images)
Buddy Guy (Image credit: Jeremy Chan Photography / Getty Images)
ブルースの伝説的ギタリスト、バディ・ガイ(Buddy Guy)は89歳になった今も、ツアーを続け、本日7月30日には新しいスタジオ・アルバム『Ain't Done With The Blues』をリリースしています。米Guitar Playerの新しいインタビューの中で、現役を続ける理由を語り、その決断はブルースの現状に対する懸念に直接関係していると明かしています。

「引退は二度考えたことがあるよ。でもね、もうこの世にいない偉大なブルースプレイヤーたちのことを考えたんだ。B.B.キング、ライトニン・ホプキンス、その他たくさんのミュージシャンたち。あの人たちみんなが“演奏を続けて、ブルースを代表し続けてくれ”と言ってくれた。今はラジオでもブルースはほとんど流れないんだよ。

だから自分に言い聞かせた。“よし、バディ、もう少し頑張れ。体調はそんなに悪くないし、これまで通りやるだけさ…ステージに立つたびに、できる限り最高の演奏をしよう”ってね」

この使命について語る時、彼には今もなお苛立ちと怒りが感じられます。彼は長年、この言葉を繰り返してきました。

「ブルースは冷遇されてきた。大手のFM局は、もはや俺たちの音楽を流さない。俺が若い頃は、ラジオをつければ何でも聴けた。B.B.キングやライトニン・ホプキンスだけが一日中かかっているわけじゃない。ホルン奏者も、キーボード奏者も、ギタリストも、ゴスペルも、ジャズも、ブルースも、あらゆるジャンルの音楽が流れていた。今はそんなのない。衛星ラジオがあれば、もう少し聴くことはできるが、深いものは流してくれない。

自分の息子でさえ、21歳になってブルース・クラブに入るようになるまで、俺が誰だか知らなかった。息子は言ったよ、“パパ、そんな風に演奏できるなんて知らなかったよ!”ってね。(そのクラブのために)屋外の小さな劇場で演奏すると、7歳、8歳、9歳、11歳くらいの子どもたちがやってきて、“すごい、おじさん、誰?”って声をかけてくれるんだ。

それは俺じゃなくて、ブルースだからだ。みんなブルースを聴くと大好きになる。でも、十分に聴く機会がない。だからこそ、俺はまだここにいるんだよ」

ガイは、引退を考えているものの、まだ水玉模様のストラトキャスターを手放す準備はできていないという。

「本当に終わりだとは言っていない。多くのグループがフェアウェルツアーを開催したのに、まだ活動しているのを知っている。それがどのくらいのファンを呼び寄せたかどうかは分からないが、俺はそういうことはしたくない。

ある人たちは俺に“自分の出番が終わった時を悟り、若い世代に道を譲れ”と言っている。俺もそうなってほしいと思っている。でもブルースを生き続けさせるために俺にできることがあれば、これからも頑張ってやっていくつもりだよ」