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ジェーンズ・アディクション 暴行騒動から約1年 メンバー間で訴訟合戦が始まる

2025/07/17 10:18掲載
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Jane’s Addiction Boston 9-13-2024 Perry Farrell Flips Out
Jane’s Addiction Boston 9-13-2024 Perry Farrell Flips Out
2024年9月13日、ジェーンズ・アディクション(Jane's Addiction)のライヴ中にヴォーカリストのペリー・ファレル(Perry Farrell)がギタリストのデイヴ・ナヴァロ(Dave Navarro)に殴りかかる出来事があり、バンドは事実上解散しました。その余波は続いており、メンバー間で訴訟合戦が始まりました。デイヴ・ナヴァロ、スティーヴン・パーキンス(Stephen Perkins)エリック・エイヴァリー(Eric Avery)のメンバー3人はペリー・ファレルを提訴し、それに続いて、ファレルはその3人を提訴しています。

まず、デイヴ・ナヴァロ、スティーヴン・パーキンス、エリック・エイヴァリーのメンバー3人が先にペリー・ファレルを提訴しました。

米ローリング・ストーン誌によると、ロサンゼルス郡高等裁判所に提出された訴状では、ファレルを暴行、傷害、故意の精神的苦痛の付与、過失、受託者責任の違反、契約違反で訴えています。訴訟ではまた、ツアーの中止と、すべてのバンド活動の停止(1990年の『Ritual de lo Habitual』以来となるクラシック・ラインナップによる初のアルバム計画を含む)により、バンドは1000万ドル以上の損失を被ったと主張しています。さらに、ツアーの中止により発生したバンドの未払い債務全額をファレルに支払うよう求めています。

訴状にはこう書かれています。

「被告の行為(突然の暴力的な発作や、バンドのフロントマンおよびヴォーカリストとしての役割を果たせないことなど)の結果、バンドはもはや機能できない状態にある。被告が与えた身体的、精神的、経済的被害は、原告とその家族、愛する人々に深刻な影響を与えており、被告が自身の行動の結果に直面し、責任を問われる時が来たのです」

また訴状によると、ナヴァロは2022年から長期にわたる新型コロナウイルスの後遺症によって活動休止となり、月25,000ドルの障がい保険を受け取っていましたが、ツアー復帰のためにこれらの支払いを停止しました。訴状には「もしナヴァロが障がい保険金を終了しなければ、彼の状態を考慮すると、ナヴァロはおそらく数年間にわたって25,000ドルの保険金をを受け取っていたでしょう。ナヴァロは数ヶ月にわたり、医師、栄養士、セラピストの診察を受けるなど、ツアーに向けて心身の準備に努めました」と書かれており、また、訴状によると、ナヴァロはツアーのために結婚式を延期し、その過程で業者への保証金5万ドルを失ったという。

訴状ではさらに、ファレルが「酩酊状態」でパフォーマンスを行ったことも非難しています。「彼はステージ上で頻繁にワインを飲み、ろれつが回らなかった。ペリーは、自分の楽しみ以外の明確な目的もなく、曲と曲の間に長々と、とりとめのない話をするのが常だった。ペリーのパフォーマンスの問題は、夜が更けるにつれて酩酊状態が進むにつれて、悪化することが多かった」と書かれています。

ナヴァロ、エイヴァリー、パーキンスがファレルを提訴した数時間後、ファレルは3人に対して訴訟を起こしました。ファレルの法的措置は反訴ではなく、別に提起した訴訟です。

米Varietyによると、30ページにわたる訴状の中で、ファレルは元メンバーたちが彼を貶めることを目的とした長年にわたるいじめや嫌がらせを画策したと非難しています。また、ツアーの中止とバンドの解散に関して、自分には発言権がなかったと主張しています。

訴状の中で、ファレルは、他のバンドメンバーが「自分の歌声が聞こえないほど大音量で楽器を演奏し、自分のインイヤーモニターを危険なレベルまで上げなければならなかった」ことに対する不満が口論に拍車をかけたと述べており、ナヴァロがバックステージでファレルと彼の妻に暴行を加えたと述べています。

米Varietyに送った声明の中で、ファレル側は次のように述べています。

「ジェーンズ・アディクションの創設メンバーであり、創造力の源として、ペリー・ファレルは常にバンドのレガシーとファンを最優先にしてきました。だからこそ、2024年9月13日のボストンでの出来事とその余波は非常に衝撃的なものでした。何の警告も相談もなく、ペリーをスケープゴートにして、デイヴ・ナヴァロと他のバンドメンバーは残りのツアー日程を突然キャンセルしました。これは契約違反であり、すべてのプロフェッショナルな義務を無視する行為です。ペリーは投票も発言も許されず、不意打ちを食らい、ファンのためにツアーを継続したいと主張する機会を与えられませんでした。それだけでも十分に悪いことであるにもかかわらず、デイヴ・ナヴァロは意図的に公の場でペリーにツアー中止の責任を負わせ、ペリーの評判を実質的に傷つけ、取り返しのつかない損害を与えました。ナヴァロによるこのようないじめが続く中でも、ペリーのジェーンズ・アディクションへの献身と、音楽業界への良い影響を守るという決意は揺るぎません。彼はこの状況に対処し、説明責任を果たす方法を積極的に模索しています」

ファレル側は訴状の中で次のように主張しています。

「ジェーンズ・アディクションのバンドメンバー同士が時折対立してきたことはよく知られています。しかし、ナヴァロ、エイヴァリー、パーキンスは、ジェーンズ・アディクションの数十年にわたる成功を捨て去り、ファレルに対する長年に及ぶいじめキャンペーンを展開することを決めたようです。そのキャンペーンには、公演中にステージ上でファレルに嫌がらせをし、彼が歌う声を聞こえないように楽器を大音量で演奏するなど、彼のイヤモニターを危険なレベルまで上げざるを得ない状況に追い込むなど、さまざまな手段が含まれていました。

この嫌がらせは2024年9月13日、ボストン公演中にナヴァロとエイヴァリーがステージ上でファレルに暴力を振るい、さらにバックステージではナヴァロがペリーとエティ・ラウ・ファレルを襲撃するという身体的暴力にまでエスカレートしました。

この衝突を受けて、ナヴァロ、エイヴァリー、パーキンスはバンドの北米ツアーの残りを中止する決定を下しました。何の警告も相談もなく、ペリー・ファレルをスケープゴートとして、ナヴァロらバンドメンバーは独断で残りの公演日を突然キャンセルし――契約に違反し、すべてのプロフェッショナルな義務を無視して――バンドを完全に解散させることを決定しました。

ナヴァロは現在、ファレルが“不意打ち”でナヴァロを殴ったと虚偽の主張をしています。実際には、ナヴァロがバックステージでファレルと彼の妻のエティ・ラウを威嚇しながら襲い掛かり、“あれは何だったんだ、このクソ野郎!”と叫びながら激しく暴行を加えたのです。ファレルは防御姿勢を取り、“ここから出て行け!”と叫んだところ、ナヴァロは“二度とお前とは仕事しない!”と答えました」

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