ニルヴァーナ(Nirvana)の
カート・コバーン(Kurt Cobain)が共同プロデューサーとしてクレジットされている、
メルヴィンズ(Melvins)のメジャーデビュー作となる1993年アルバム『Houdini』。実際にはカートは作品に大きな貢献は果たさず、メルヴィンズはカートを解雇した後、プロデューサーのガース・リチャードソンの助けを借りて最終的にアルバムを完成させました。メルヴィンのフロントマン兼リーダー、
バズ・オズボーン(Buzz Osborne)はNew Noise Magazineの新しいインタビューの中で当時を振り返っています。
「ガースは『Houdini』のレコーディングに少し関わってくれていて、そのセッションからコバーンを解雇した後、仕上げを手伝ってくれたんだ。
それ自体が面白い話だけど、今では(『Houdini』のレーベル、アトランティック・レコードの社長)ダニー・ゴールドバーグが“解雇したんじゃなくて、彼は辞めたんだ”って主張してる。理由はわからないけど、まあ、どうでもいい話さ」
バズは当時のアトランティック社長だったダニーの記憶や彼の主張に同意できない様子で、インタビューでダニーが本に書いた内容に触れられた際に、こう語っています。
「あいつのクソみたいな本は絶対読まねえよ。あいつは俺について意味不明な変なことばかり書いてやがる。なんでそんなことしたのかサッパリわからない」
ここで問題になっているの、ダニーがメルヴィンズがカートに曲を書かせたがっていたと主張したことです。バズはこれは真実ではないと断言し、こう続けています。
「あいつは“俺たちがコバーンに曲を書いてほしかったから、カートは俺たちと仕事したくなかった”みたいなこと言ってた。俺は“誰かに曲を書いてもらう必要なんてねえよ”って感じだ。今まで何百曲も書いて録音してきた。作曲に困ったことなんて一度もない」
もちろん、メルヴィンスとカートの間に創造的な意見の相違はありましたが、ダニーが言ったようなものではなかったとバズは反論しています。
「カートと一緒に仕事をした時、俺は“プロデューサーって何をするんだ?”と思った。一緒に曲について話し合うものだと思っていた。“これはどう思う?あれはどう?”“アレンジについてどう考える?”ってね。彼に曲を書いてもらおうなんて思ってなかった。
だからダニー・ゴールドバーグがそんなこと言ってるのは、まったくの嘘だ。なぜそんなことをする必要があるのかわからない。どうして俺を悪者にしようとするんだ?なぜだ?俺はお前に何もしていないのに?
まったく馬鹿げてる。彼には謝罪を要求するよ、公の場での謝罪を。さもなくば、くそくらえ。あいつとそのクソみたいな本なんかどうでもいいんだ。
そういうことは何度もあった。ニルヴァーナの伝記作家たちが“真実”という話をしたこともあったし、俺が間違っていると言われたりした。“まあ、じゃあ、そういうことで”って感じだよ。不思議だ。彼自身とは特に問題なかった。問題があったのは周りにいた連中だったんだ」