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“アメリカン・フォーク・ソングの父”ウディ・ガスリーのプロテスト・ソング「Deportee」 彼自身が録音した唯一の音源公開

2025/07/15 19:50掲載
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Woody Guthrie : CREDIT: Michael Ochs Archives/Getty Images
Woody Guthrie : CREDIT: Michael Ochs Archives/Getty Images
“アメリカン・フォーク・ソングの父”として名高い伝説のフォーク・シンガー、ウディ・ガスリー(Woody Guthrie)が遺したプロテスト・ソングで、これまでブルース・スプリングスティーン、ジョニ・ミッチェル、ジョーン・バエズ、ピート・シーガーなどのアーティストによってカヴァーされてきた「Deportee」。ガスリー自身が録音した唯一の音源が公開されました。この音源は、ガスリーの未発表ホームレコーディング音源22曲を収録したアルバム『Woody At Home Vol. 1 and 2』に収録されます。

1948年、ガスリーは米カリフォルニア州ロス・ガトス峡谷で起きた航空機墜落事故の新聞記事を読みました。この事故では32人が亡くなり、そのうち28人は移民農場労働者でした。報道では、パイロット、副操縦士、客室乗務員のみが報道され、航空機の乗組員の遺体は家族に返還されましたが、移民農場労働者は報道で「不法移民」としか報じられず、遺体は集団墓地に埋葬されました。ガスリーは、これらの労働者への非人間的な扱いに怒り、抗議の曲として「Deportee」を書き上げました。

アルバム『Woody At Home Vol. 1 and 2』には、これまで未発表だった13曲の音源が収録されており、そのうちの1曲はガスリーが「Deportees」を録音した唯一の録音です。



アルバムは海外で8月14日発売。リリース元はShamus Records。

これら音源は、1951年から1952年にかけてニューヨーク市ブルックリンのグレイヴズエンドにある自宅で録音されました。22曲のうち13曲は、このブルックリンの自宅でしか録音されていないものです。ガスリーは1本のマイクとオープンリールのテープレコーダーを使ってこれらの楽曲を録音しました。中には新たな歌詞が加えられた「This Land Is Your Land」の演奏も含まれています。

スティーブ・ローゼンタールがアルバムの転送とプロデュースを担当し、ジェシカ・トンプソンがミキシングとマスタリングを担当しました。2人はこの『Woody At Home』で、「先駆的なソフトウェアとアンティークのテープマシンを使用して、ヴォーカルとギターを分離とミックスを行い」、素朴ながらもクリアなサウンドを実現させています。
■『Woody At Home Vol. 1 and 2』

Volume 1
Side A
01. This Land Is Your Land (Woody’s Home Tape)
02. Biggest Thing That Man Has Ever Done
03. Howie, I’d Like To Talk To Yuh (spoken word)
04. Deportee (Woody’s Home Tape)
05. Great Ship
06. Pastures of Plenty

Side B
07. Jesus Christ
08. I’m a Child Ta Fight
09. Innocent Man
10. I’ve Got To Know
11. Backdoor Bum and the Big Landlord

Volume 2
Side A
01. I Just Want To Tell You Fellers (spoken word)
02. Peace Call
03. Ain’t Afraid To Die
04. Buoy Bells from Trenton
05. Einstein Theme Song (with spoken word)
06. One Little Thing An Atom Can’t Do

Side B
07. Forsaken Lover
08. My Id & My Ego
09. Lifebelt Washed Up
10. Funny Mountain
11. You Better Git Ready