英フォーク・ロック/プログレッシブ・ロック・バンド、
ストローブス(Strawbs)の創設メンバーで長年フロントマンを務めたデイヴ・カズンズ(Dave Cousins)が死去。カズンズのSNSアカウントにて、長い闘病生活の末、カンタベリーにあるピルグリムズ・ホスピスにて7月13日に亡くなったことが発表されています。85歳でした。
1940年1月7日にデヴィッド・ジョセフ・ヒンソンとして生まれたカズンズは1964年、トニー・フーパーらと共にブルーグラスバンドのストロベリー・ヒル・ボーイズ(Strawberry Hill Boys)を結成。このバンドはストローブスと改名され、フォーク音楽を経てプログレッシブ・ロックへと移行した。
初期のシンガーには、のちにフェアポート・コンベンションのメンバーとなるサンディ・デニーもいた。ストローブスは1967年に『All Our Own Work』を録音したが、レーベルとの契約が流れ、このアルバムがリリースされたのは1973年だった。
1968年、英国出身グループとしてで初めてA&Mレコードと契約。1969年のセルフタイトルアルバムをリリースした。
その後、リック・ウェイクマンがゲスト参加を経て正式加入。ここからトラッドやバロック音楽などを融合したプログレッシブ・ロックを展開する。ウェイクマンは、ライヴ音源の1970年の『Just A Collection Of Antiques And Curios』に参加し、翌年の『From The Witchwood』に参加した後にバンドを離れ、イエスに参加した。
その後もバンドは同路線を継続し、特にカズンズの意向でメロトロンを多く使用するようになっていった。1973年のアルバム『Bursting At The Seams』から生まれたNo. 2ヒット曲「Part Of The Union」で最も知られているが、1972年の『Grave New World』と1974年の『Hero And Heroine』がストローブスのクラシックなサウンドを象徴している。
カズンズは、デフ・レパードの1980年のデビューアルバム『On Through The Night』にも参加、その声は「When The Walls Came Tumblin' Down」の冒頭で聴くことができる。
近年では、アコースティックとエレクトリックの編成でツアーを行い、リック・ウェイクマンの息子であるアダム&オリヴァー・ウェイクマン、そしてジョン・ヤング、デイヴ・ベインブリッジが参加した時期もあり、エソテリック・レーベルから『The Ferryman's Curse』(2017年)、『Settlement』(2021年)、『The Magic Of It All』(2023年)などのアルバムをリリースした。
健康問題に直面してきたカズンズは、近年、重大ながん手術、ステント交換、膝の全置換手術などを受け、2021年にツアー活動を引退していた。ストローブスは、2023年8月に最後の公演を行った。