
Hopeless Records / Fat Wreck Chords
米国の2つの有名なインディー・パンク・レーベルに新たな動きがありました。
NOFXのファット・マイクは、自身が設立したレーベルFat Wreck Chordsの運営から退くことを発表。Hopeless Recordsとの新たなパートナーシップにより、HopelessはFat Wreckの作品群の原盤権(マスター・レコーディング)を取得することになりました。売却金額は明かされていません。
また今回のパートナーシップにはユニークな点が2つあります。
1つは、Fat Wreckに所属する100組以上のアーティストに対して、未返済分を全額免除し、負債をゼロにするということです。
レコード契約は基本的に、アルバムのリリースで利益を得ることを期待するレコード会社からアーティストがお金を借りて、そのお金を使ってアルバムを制作・リリースする契約であることが多いです。もし、アーティストが利益を出すのに十分な数のアルバムを売ることができなければ、将来の収入が負債の返済に充てられます。そのため、比較的成功したミュージシャンであっても、借金が残ってしまうことがあります。
今回Fat Wreckは未返済分を全額免除し、借金なしにするという。免除される未返済分の総額は、およそ350万ドルだという。
もう1つの特徴として、HopelessがFat Wreckとして新規アーティストと契約することが禁止されていること。
Fat Wreckの設立者であるファット・マイクと彼の当時の妻エリンは、Fat Wreck Chordsの名称、ロゴ、商標権を今後も保有し続けます。
ファット・マイクは「エリンは契約の終盤に“私たちが築いたものを手放したくない”と言った。もし俺たちが売って、(Hopeless設立者)ルイ(ポーゼン)がFat Wreck Chordsのロゴを売った場合、他のレーベルや人物が別のバンドをリリースできるようになってしまう。俺たちは純粋さを保ちたい。自分たちが名付けたレーベルに気に入らないバンドがいるのは嫌なんだよ」とコメントしています。
新生Fat Wreckは2025年後半に、Bad Cop/Bad Copの新アルバム『Lighten Up』、NOFXのレアトラック集『A to H』、Strung Outの『Exile in Oblivion』20周年記念エディションなどを発売予定です。