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ブラック・サバス最終公演をトニー・アイオミ回想、サバスはもっと多くの曲を演奏する準備はしていた/オジーとビルのパフォーマンスについて正直な感想等

2025/07/10 10:26掲載
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Black Sabbath - Back To The Beginning -
Black Sabbath - Back To The Beginning -
ブラック・サバス(Black Sabbath)の最後のコンサート『Back To The Beginning』。トニー・アイオミ(Tony Iommi)はSiriusXMのラジオ番組『Trunk Nation With Eddie Trunk』の新しいインタビューの中で、この公演について振り返っています。

「正直、ここ数ヶ月は本当にストレスが多かったよ、考えてみるとね。1ヶ月前にリハーサルに入ったんだけど、当日になるまで、どうなるかはわからなかった。ビル・ワードとは20年ぶりに大きなステージで演奏するわけで、どうなるか不安だった。でも、結果的には全てうまくいったよ」

アイオミは公演前、長い間一緒に演奏していなかったため、公演に対して懸念を表明していましたが、司会のエディ・トラックから、サバスのパフォーマンスはうまくいったと思いますか?と尋ねられたアイオミは、こう答えています。

「終わってみれば問題なかったよ。もちろん。慈善団体のために多くの資金を集めることができたし、それが一番の目的だった。それに、数週間一緒にリハーサルをして、再びお互いを理解し合うことができたのは本当に良かった。いい経験だった」

アイオミはさらに、オリジナルのサバス・メンバーと長年会っていなかった理由について、こう語っています。

「俺はイギリスに住んでいて、他の3人はアメリカにいるから。みんながイギリスに来てくれたおかげで、昔話に花を咲かせる時間が十分にできた。まるで離れていなかったかのように自然に戻ることができて本当に良かった。もちろん、最後にサバスとしてライヴをしてから10年ほど経っており、ビルとライヴで演奏するのは20年ぶりだったから、本当にどうなるか不安だった。ビルは演奏するたびに違うことをするので、気を抜けない。でも、うまくいった。大きなステージで大勢の観客を前にし、さらに何百万人にもストリーミング配信されるのは、俺たちにとって奇妙な体験で、初めての経験だったので、とても緊張した。通常ならツアーをして調子を上げるところを、1回のライヴのために全力を出して、そしてバタンと終わってしまうのは本当に不思議な感覚だったよ」

サバスは当日、「War Pigs」「Iron Man」「N.I.B.」「Paranoid」を演奏しました。この選曲について、アイオミはこう語っています。

「演奏する曲を決める際、オジーがどれだけやれるが問題だった。彼は直前まで自分のセットをやる予定だったので、俺たちには彼がどれだけやれるかわからなかった。俺たちと一緒にやる前に疲れ切ってしまうのでは思って、俺はそのセットはやるべきではないと伝えた。でも彼はそうせず、自分のセットを行った。結局、準備していた6曲か7曲の中から4曲を選んで演奏した。4曲でうまくいったので、それでよかったんだよ」

司会のトラックがオジーがソロバンドとのパフォーマンス後、すぐにステージに戻り、サバスと最後の4曲を歌うのを見て驚いたと言うと、アイオミはこう語っています。

「そう、それが俺の懸念だったし、実際、俺たち全員の懸念だった。ギーザーも、俺も、ビルもね。彼にはもっと長い休憩が必要だと思っていた。実際どうやってやるのかよくわからなかった。当初の計画ではカーテンを使って、カーテンが上がったら俺たち全員がそこにいる予定だった。でも当日、正確には前日、スタジアムでサウンドチェックを行った時、カーテンが作動せず、風が強かったので使わない方が良いと判断された。それで、どうやってステージに上がるか考えなければならなかった。ちなみにステージは回転式だった。主な問題は玉座に座っているオジーをどう乗せるかだった。それからギーザーと俺が歩いて出てくる。ビルは既にステージにいた。だから本当にその場で考えながら進めた感じだったんだ」

アイオミはサバスがもっと多くの曲を演奏する準備はできていたが、時間がなくなったと付け加えています。

「最初7曲だったんだけどが、その後、6曲に減った。もちろん、ヴィラ・パークには厳しい時間制限がある。エディ、わかるだろ? すべてのバンドを時間内に収められたことに本当に驚いている。本当に驚きだ。運営が…(この公演のキュレーター)トム・モレロの運営方法は本当に素晴らしかった。彼は本当に素晴らしい仕事をした。でも分刻みのスケジュールで、際どい状況だった。時間をオーバーすることは許されなかった。あの運営でなければ、どうなっていたかわからない。彼らは厳しい時間制限を守って働いていてくれた」

サバスがリハーサルした他の曲について、アイオミはこう語っています。

「まず“Fairies Wear Boots”から始めて、次に“Black Sabbath”をやった。ビルにとっては少し難しかった、長い間演奏してなかったからね。ギーザーと俺は前回のツアーで演奏していたけど、ビルは長い間ツアーに出てないことを忘れちゃいけない。6曲やれたかもしれないが、結局4曲にしたんだ」

オジーとビルのパフォーマンスについてどう思うか尋ねられたアイオミはこう語っています。

「まあ、俺はちょっと完璧主義者なんだけど、彼らはできる限りのことをした。それ以上を期待するのは無理だ。俺たちは70代後半だから、できることは限られている。今の時点で全員に完璧を求めるのは不可能だ。でも彼らはできる限りのことをしたし、みんなそれを理解していた。観客もそれをわかって受け入れてくれたと思う。彼らは俺たちがステージで完璧なプレイを見せるなんて期待していなかっただろう。俺たちは今の自分たちらしく演奏したんだ」

司会のトラックがサバスのパフォーマンス中にビルがシャツを脱いだことに驚いたと冗談を言うと、アイオミはこう返しています。

「面白い話がある。リハーサルの休憩中にスタジオで食事をしていた時のことだ。ビルがシャツを脱いでいて、ギーザーがちょうどサンドイッチを食べようとしていた。ギーザーは“おいビル、シャツを着ろ。サンドイッチがまずくなる”と言った(笑)。でもそれがビルらしい。彼はいつもシャツを脱ぐんだ。昔からずっとそうだ。俺はビルに“おいビル、お前は(『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの)ゴラムみたいだぞ”って言ったんだが、彼はゴラムが誰か知らなかったみたいだ。ビルは昔から変わらない。彼はまったく気にしないんだ。やりたいようにやる。それがビルの素晴らしいところだ。もちろん、一緒にいるとすぐにまた冗談のやり取りが始まり、お互いをからかい合った。本当に楽しかったよ。コミュニケーションは何年も前から続いているんだ」