NHKの電子音楽スタジオの全貌と、その音楽的・技術的な成果を詳細に記録した決定版　全1400ページを超える大著『NHKの電子音楽』発売

ラジオ放送開始100周年の今年、日本のラジオ放送（本放送）が始まった7月12日に合わせて、フィルムアート社より『NHKの電子音楽』が刊行される。

著者はこれまでに『武満徹の電子音楽』『日本の電子音楽』などを著してきた電子音楽研究の第一人者・川崎弘二。本書はその集大成とも言える決定版である。

本書は、NHK（日本放送協会）において制作された電子音楽作品群の全体像を初めて包括的に明らかにする一冊。1950年代から2000年代にかけて、日本の音楽史、放送史において重要な役割を果たしたNHKの電子音楽スタジオの活動とその成果を、膨大な資料とともに記録する。

1956年の黛敏郎・諸井誠「七のヴァリエーション」、1966年のカールハインツ・シュトックハウゼン「テレムジーク」、1967年の湯浅譲二「ホワイト・ノイズによるイコン」など、音楽史に刻まれる作品が次々と生まれた場として、「日本放送協会＝NHK」は国際的にも注目を集めた。

本書では、1925年の東京放送局開局によってもたらされた、聴覚のみで伝える新しいメディア＝ラジオの登場に伴い、新たな音響表現が模索された黎明期から、電子音響による創作の可能性が見出され、NHKに電子音楽のためのスタジオが仮設された1954年、本格的な電子音楽制作の開始、そして電子音楽が国家的規模のメディア・イベントで活用された1964年の東京オリンピックや1970年の大阪万博といった黄金期の状況、さらにその役割を徐々に終えていく2000年代まで、NHKを中心とした日本の電子音楽の歴史を余すところなく調査・記述している。

全1,432ページに及ぶ圧倒的な分量で、資料性・読み応えともに圧巻の一冊。
巻末には人名索引、主要作品リストを収録。

さらに、早期購入特典として、諸井誠が1962年にNHKで作曲した純電子音楽「ヴァリエテ」の貴重な手書き楽譜（全22枚）の複製を付属。










詳しくは本書特設ページにて
https://www.filmart.co.jp/pickup/33386/