Metallica / ...And Justice for All
メタリカ(Metallica) の「One」のドラムパートは、
ダーク・エンジェル(Dark Angel) がその2年前にリリースした「Darkness Descends」に影響を受けたのではないかと言われています。ダーク・エンジェルのドラマー、ジーン・ホグランは、ポッドキャスト『That Metal Interview』の新しいインタビューの中で、
ラーズ・ウルリッヒ(Lars Ulrich) に「君がこのリフ、俺が書いたものを、何であれ、伝説にしてくれた」と、とても感謝していると語っています。
「YouTubeやストリーミングがなかった時代。アルバムがまだ発売されていなければ、ラジオで聴くしかなかった。当時、ロサンゼルスのKNACは、おそらく全米で最も影響力のあるロックラジオ局だった。そこでは、その(メタリカの)新しい曲が頻繁に流れていたけど、正直に言うと、俺は車でカセットテープを聴いていたので、KNACをあまり聴いていなかった。でも、友人から電話や留守電メッセージが次々と入ってきて、“おい、新しいメタリカ聴いたか?絶対聴けよ。聴いたら驚くぞ”と言われた。俺はただ“へえ、そうなのか”と思っていたが、実際に聴いてみたら、みんなが何を言っていたのか理解したよ」
ラーズ・ウルリッヒが「Darkness Descends」を聴き、ホグランのドラムリフを「借用」した可能性について、ホグランは次のように推測しました。
「俺はいつもリフやアイデア、コンセプトの系譜や起源を考えるのが好きなんだよ。何が先にあったのか、何が後から来たのか、とね。
(後にメタリカのベーシストとなる)ジェイソン・ニューステッドがフロットサム・アンド・ジェットサムにいた頃、彼と話したことがある。『Darkness Descends』(1986年)がリリースされたばかりの頃で、(フロットサム・アンド・ジェットサムのアルバム)『Doomsday For The Deceiver』は既にリリースされていた。俺たちは(カリフォルニア州リセダにある)カントリークラブの裏で、駐車場で雑談をしながらメタルの話をしていた。彼はダーク・エンジェルのファンだと話していた。
俺は、彼がファンだと話していたのを思い出して、ふと思ったんだよ...これは偶然なのか...最初は、ドラムのビートが似ているだけだと思ったが、“One”の冒頭の歌詞が♪Darkness imprisoning me~だったから、俺はちょっと…という感じだった」
ホグランは、ウルリッヒが自分のドラムリフの一つを借用したように見えたことについて、こう続けています。
「決して気を悪くしたわけではない。むしろ感謝していた。“ありがとう”って感じだったよ。君がこのリフ、俺が書いたものを、何であれ、伝説にしてくれた。ラーズ、ありがとう。君は我々がやっていること全てのゴッドファーザーだ。もし借りたいものがあれば何でも使ってくれ。全然構わないよ」
ホグランはさらに、別のダーク・エンジェルのリフがメタリカの楽曲に使われていたとも話しています。
「メタリカの“Battery”を初めて聴いた時、“おいジム(ダーキン/当時のダーク・エンジェルのギタリスト)、これってダーク・エンジェルのアルバム『We Have Arrived』に収録されている“Welcome To The Slaughterhouse”のリフじゃないか?”と思ったよ。“ああ、同じリフだ”ってね。
そこが気になったんだ。もしかしたら、あれから来ているのかなと思っている。でも、メタリカはまさに父親みたいな存在だ。ラーズ・ウルリッヒは我々がやっていることのゴッドファーザーで、(ブラック・サバスの)ビル・ワードは全員のゴッドファーザーだ。だからラーズには常に尊敬の念を抱いているし、そうしてくれることを感謝している。
あの“One”のドラムビートを誰よりも上手に叩ける人物を知ってるかい? 俺よりも上手なんだ。ジェイムズ・ヘットフィールドだ。彼がステージでちょっとしたドラムをやるのを聴いたことないかい? ジェイムズ・ヘットフィールドがドラムに座って、あのビートを叩くと、それがものすごくロックでしっかりしているんだよ。俺は“神様、彼は俺よりも上手い、でもあれは俺が作ったんだ”って思うよ。
だから、そういうことさ。メタリカが歴史の小さな一ページで俺たちを助けてくれたことに心から感謝しているよ」
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