
Mark Wood (right) and Sam Orr (left)
亡き父親が「最大の支援者」だったメタル・ギタリストは、今後のライヴでも父親と一緒にいられるように、ギターのネック部分に遺灰を埋め込む。「こうすることで、いつも父と一緒にいるような気がするんだ」と英BBCのインタビューの中で語っています。
このギタリストは数々のメタル・バンドで演奏してきたマーク・ウッド。彼の父親キース・ウッドは、マークにギターの弾き方を教え、マークの演奏を見るためだけに何kmも旅をしました。マークは「父は僕の最大の支援者だった。ただただロックしてくれた」とBBCに語っています。
しかし、2022年のクリスマス、父親のキースは心臓発作のため68歳で急逝。家族は突然のことで「人生に大きな穴が開いた」という。
マークの他の家族は、父親の遺灰の一部をジュエリーに加工しましたが、マークは父親と彼のギターへの愛を偲ぶために、父親の遺灰を、愛用のフェンダー・テレキャスターのネックに埋め込み、父親がステージに加われるようにするというアイデアを思いつきました。
テレキャスターのネックに遺灰を埋め込むことは「自分にはできないだろう」と思ったマークは、彼の友人であり、同じミュージシャンであるサム・オアに相談し、2人で計画を立てました。オアはこう振り返っています。
「最初はどうやったら実現できるか考えていたんだけど、考えを巡らせ、予備のギターネックでテストを重ねるうちに、完成させるのはそれほど難しくないことと気づいた。遺灰を特殊な接着剤と混ぜる作業は骨の折れる作業だったけど、結果はそれだけの価値があるものになった」
マークはこう振り返っています。
「サムは店が閉まっている間に作業をしてくれて、本当に気遣いが行き届いていて、細心の注意を払ってくれた。すごく敬意を持って接してくれたよ。
父がまだここにいてくれたらと思うけど、こうすることで、いつも父と一緒にいるような気がするんだ。思い出はいつまでも残るからね」
カスタマイズされたギターの弾く準備ができた時、最初にマークがしたことは?
「父が好きだった曲、テッド・ニュージェントの“Stranglehold”を弾いた。僕が子供の頃、父はいつもこの曲を弾いてくれと頼んでいたんだ」