ディアフーフ(Deerhoof)は、Spotifyから全楽曲を削除することを発表しました。SpotifyのCEOであるダニエル・エクが、AI軍事ソフトウェアを専門とするドイツ企業Helsingに資金を投資したことに抗議し、Spotifyをボイコットすることにしました。
バンドは声明の中で「私たちは、自分たちの音楽で人を殺したくありません。私たちの成功をAI戦闘技術に結び付けたくありません」と述べ、バンドはさらに、音楽を削除する決定は「非常に簡単な判断だった」とし、「もともとSpotifyからの支払いは微々たるもので、ツアー収入の方がずっと多い。しかし、他のアーティストやレーベルが収入の大部分をSpotifyに依存していることも理解しており、短期的に同じ動きができない人々を批判するつもりはありません」と付け加えています。
「Spotifyは自らを破滅に追いやっている」と声明は続き、「いずれアーティストたちは、すでに広く嫌われているこのデータ収集詐欺まがいの『音楽会社』から離れていくでしょう。ユーザーには不気味だし、アーティストにとっては最低です。音楽制作は永遠に続きますが、デジタルで一攫千金を狙う、こうした巧みは確実に時代遅れになるでしょう。
Spotifyについてよく言われるのは、理論的には、登録した誰もが、どれだけトレンドの中心地から離れていても、その音楽を発見できる可能性があるということです。しかし、西洋文化のゲートキーパー(※文化的な影響力を制御する役割を担う人)から遠く離れているからといって、その人々に文化がないわけではありませんし、私たちのバンドを聴く必要があるわけでもありません。ディアフーフは小さな家族経営のようなもので、ほどほどを知っています。私たちは資本家ではなく、世界を征服したいとも思っていません。特に『発見しやすさ』の代償が寡頭政治の支配者たちがコンピュータ化された兵器で地球を埋め尽くすことなら、そのような恩恵は拒否します」
ディアフーフのレーベル、Joyful Noiseもバンドの決断を支持する声明を発表しています。