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ジャッコ・ジャクジク、キング・クリムゾン参加時に最も難しかったクリムゾン楽曲はどれだったか語る

2025/06/26 18:35掲載
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Jakko M. Jakszyk - Photo by Louise Patricia Crane
Jakko M. Jakszyk - Photo by Louise Patricia Crane
キング・クリムゾン(King Crimson)での活躍でも知られるギタリストのジャッコ・ジャクジク(Jakko M. Jakszyk)。Ultimate Guitarの新しいインタビューの中で、クリムゾンに参加したとき、最も難しかったクリムゾン楽曲はどれだったか語っています。

「まあ、難しいことはたくさんあったよ。ロバート(フリップ)と一緒に小さなスタジオで、リハーサルを始める前に、レパートリーやセットリストについて話し合っていたときのことなんだけど、ファンとしての僕は“30年も40年も演奏していなかった曲をやるんだ”とか“一度も演奏されたことのない曲もある”と思うと、わくわくしていた。そして、彼は“Larks' Tongues In Aspic Part I”をやろうと言った。子供の頃、そのアルバムを購入して聴いたときの興奮を今でも覚えているよ。

でも、80年代になって、ロバートはギターのチューニングを変え、ニュー・スタンダード・チューニングという5度チューニングを開発した。下はCだったと思う。彼は、その新しいチューニングでは、あのいかれた、クレイジーなロバート・フリップのクロスピッキングのギターパートの一部は弾きにくいと言っていた。特に低音域で、3フレット離れた、例えば5度やフラット・ファイブとかは。

新しいチューニングではフレットの間隔が広くなる。彼からは“君なら弾ける”と言われたけど、僕には無理だ! 正気かい? だから、“Larks' Tongues in Aspic, Part I”のその部分は難しい。僕がカウントしていないという理由もあるけど、6拍子と11拍子が交互に来る上、途中に4拍子がある。

それをバンド全体の演奏に乗せなければならない。他のメンバーは全員7拍子で弾いている。だから3小節目の4拍目か7小節目から始めなきゃいけない。リハーサルを始めた時、“48小節後に全員が同じ位置に合流するまで、自分が正しく演奏できているか全く分からない”と思ったのを覚えている。そうした相互に絡み合った部分、クリムゾンのモダンな部分で、ジグソーパズルみたいなものは、ミスの許されない精密さが要求されるんだ。

バンドの半分が一つの拍子で演奏している中、残りのメンバーが別の拍子で演奏するという、ある種のポリリズムのようなことをやっている。“Fracture”を演奏する時なんて、もともと十分難しい曲なのに、ロバートが“最初の5拍子の部分を交互に演奏しよう”と言い出した。僕、彼、僕、彼の順番で演奏する。これはかなりチャレンジングだった。

難しい点の一つは、初期の曲の多くではベーシストがヴォーカルも担当していたこと。ロバートがオープンパートを演奏している間、ベーシストが歌っている。これが大変だった。

ロバートのチューニングと、僕がギターを弾いているという状況もあって、それは本当に難しかった。歌と演奏を同時にすることは、難しい挑戦だった。しかも多くの場合、完全にさらけ出さなければならなかった。初期の曲の多くは、他のメンバーが入ってくる前のヴァース(Aメロ)の部分はギターとヴォーカルだけなんだ。それを、自分よりも、その曲をよく知っている何千人もの観客の前でやるのは、それ自体がチャレンジだったよ」