オアシス(Oasis)が1997年アルバム『Be Here Now』をレコーディングしていた時、キレた
リアム・ギャラガー(Liam Gallagher)が
ノエル・ギャラガー(Noel Gallagher)のギターを破壊。その際、リアムは誤ってスタジオエンジニアのギターも破壊してしまう。それはエンジニアが母親から貰った大切なギターだった。ギャラガー兄弟は反省し、リアムはエンジニアの母親に謝罪の電話をし、ノエルはオアシスの「Wonderwall」を演奏したギターをエンジニアに贈る。スタジオエンジニアのニック・ブラインが英BBCの新しいインタビューの中で、当時を振り返っています。
「前の晩に飲み過ぎた翌朝で、リアムはひどい二日酔いだった。ノエルが新聞で彼について何か言ったせいで、リアムがキレた。僕はアビー・ロードの有名な第2スタジオで機材をセッティングしていて、自分も二日酔いだった。ふと見上げると、コントロールルームからギターが飛んでくるのが見えた。ノエルのフェンダー・ジャグで、粉々に砕け散った。僕はコントロールルームに駆けつけたが、リアムはアビー・ロードのミキシング・デスクにも大きな凹みをつけていた」
ニックは以前、アルバム『(What's The Story) Morning Glory』で以前一緒に働いており、こうした衝突を何度も目にしていたので、リアムを放っておきました。しかし…。
「すると、またアコースティックギターが飛んできて、床で粉々になるのを見た。それが僕のギターだと気づいた。でも、何も言わない方がいいと思った。そのあと、ノエルが入ってきて“何事だ?と言った。騒ぎが始まった。ノエルは自分のギターが壊されているのを見て、それから僕の壊れたギターを指さし“あれは誰のだ?”と言うと、リアムは“あれもお前のギターだ”と返し、ノエルは“俺のじゃない”と言い返した」
壊れていたのはニックの1970年代製日本製フェンダーでした。価値は100ポンドほどでした。
「僕は恥ずかしそうに手を挙げて“実はリアム、それは僕のギターなんだ”と言った。それから誰が新しいギターを買ってくれるかで大喧嘩になった。僕は“金銭的価値はないけど、母から貰った思い出の品なんだ”と伝えた」
リアムはロンドンの楽器店街で有名なデンマーク・ストリートにニックを連れて行き、「好きなギターを買ってやる」と約束しますが…
「ノエルはリアムに“お前がギターの何を知ってるんだ?”と言い返し、“俺が買ってやる”と言っていた。また誰が買うかで喧嘩になったんだ」
リアムを叱りつけた後、ノエルはリアムに南ウェールズに住むニックの母親に電話して謝罪するよう強く迫ったという。
「“こんにちは、ブライン夫人、リアム・ギャラガーです。お詫びの電話を...”という感じで、彼は自分のしたことを伝えて謝罪していた。それがリアムらしいところなんだ。怒っているかと思えば、次の瞬間には天使のようになる。彼と一緒にいるのはいつも楽しかったよ」
その後、ノエルは、自身が「Wonderwall」や「Don't Look Back in Anger」などを制作した際に使用し、ネブワース公演やMTVアンプラグドでも使用したタカミネ・アコースティック・ギターをニックに手渡しました。
「本当に驚いたよ。“大丈夫、結構です”と言ったんだけど、ノエルがどうしても受け取れと言うので。壊れたギターを補って余りある価値がある。信じられなかったよ」
ニックは、このギターを美術品として保険をかけているという。オークション会社はもしニックが売却した場合、入札開始価格を10万ポンド(約2,000万円)と見積もっています。