ブラック・サバス(Black Sabbath)がまだ「アース」と名乗っていた1968年に行った、彼ら初のスタジオ・レコーディング。そこで使用したマイクと機材は、30年間どこにあるのか分かっていませんでしたが、つい先日見つかり、7月にバーミンガムの開催されるサバスの最後のコンサートに合わせて展示されることが決定しています。
見つかったのは、当時バーミンガムにあったゼラ・スタジオ(Zella Studios)のミキシング・コンソールの一部と2台のレヴォックス・テープマシンを含む機材。バーミンガム近郊のキャッスル・ブロムウィッチ・ホール・ガーデンズで展示される予定です。
ゼラ・スタジオの最初の拠点は、ブリストル・ストリートにあるラドブローク・ピアノズの古い修理室の奥にありました。
1968年、当時「アース」という名前だったバンドの4人のミュージシャン、オジー・オズボーン、トニー・アイオミ、ギーザー・バトラー、ビル・ワードがここで初めて一緒にレコーディングを行いました。
ゼラ・スタジオのオーナーであるジョニー・ヘインズは英BBCの取材に応じて、こう説明しています。
「ビッグ・ベア・ミュージックが企画した(ゼラ・スタジオで行われた)デモ・セッションは素晴らしく、その録音は好評だった」
しかし、最初のミーティングの後、バンドは「トップクラスのレコーディングスタジオが集中する」ロンドンに移ったとヘインズは付け加えています。
その後、何らかの理由でロンドンでのレコーディングは期待外れな結果に終わり、4人は再びゼラ・スタジオに戻ってきたそうで、この時期にバンドは名前を「ブラック・サバス」に変更し、最初のレコード契約を結んだとヘインズは語っています。「その後のことは、ご存知の通りだ」
30年間スタジオを運営してきたヘインズは最終的に、このビジネスをウォーカー・ホール・スタジオに移転し、ゼラ・スタジオの設備は1995年に倉庫に保管されました。
展示会を企画したジョン・モスティンはヘインズとは1970年代半ばから知り合いだったという。モスティンは最近、ヘインズに連絡を取り、当時の機材が残っているかどうか尋ねました。
「彼は“はい”と答えたけど、探すのに6ヶ月かかったそうだよ。実際に見つかったのは約10日前で、30年以上も倉庫に保管されていたんだ」
モスティンは展示会について、「このマイクが次に公の場で公開されるときは、おそらく博物館のガラスケースの中だと思う。実際に間近で見られるのは今回が最初で最後のチャンスになるかもしれない」と説明しています。

(c)Johnny Haynes