クラシック音楽は植物の成長を促進する可能性があるが、ロックは逆効果で、ロックやメタルを聴かせた植物は成長が鈍る可能性があるという。研究結果が発表されています。
成長する過程でバッハの協奏曲を聴かせたチンゲンサイは、最終的に、より重く葉の多い状態になりました。しかし、ロックを聴かせた植物は成長が鈍化したという研究結果を、マレーシアプトラ大学とマラヤ大学の研究者と、オックスフォード大学の心理学者チャールズ・スペンスからなる研究チームが報告しています。
研究チームは、音の周波数、音楽のテンポ、使用楽器の組み合わせが植物の成長を促進または抑制する可能性があるとの見解を示しています。
この研究は、
学術誌『Evolutionary Studies in Imaginative Culture』に掲載されています。
この研究では、3つのチンゲンサイのグループにそれぞれ1日2時間ずつ、ロック、クラシック音楽、あるいは無音を聴かせ、2時間の間隔を空けて実験を行いました。
使用された音楽は、ロックはインストゥルメンタルのロックとメタル、クラシック音楽はバッハのブランデンブルク協奏曲でした。
植物の成長に影響を与える可能性のある他の環境条件、例えば温度、湿度、照明などは、植物が収穫されるまでの6週間にわたって厳密に管理されました。
その結果、クラシック音楽を聴かせた植物は最終的に大きく成長し、平均重量は8.99gでした。一方、音楽をかけなかった植物の平均重量は6.33gで、ロックを聴かせた植物の平均重量はわずか3.12gで、成長が抑制されたことを示唆しています。
またクラシック音楽を聴かせたチンゲンサイは最も多くの葉を付け、平均約17枚近くだったのに対し、ロックを聴かせた植物はわずか10枚の葉しかつけませんでした。
論文の共著者であるチャールズ・スペンスは英タイムズ紙のインタビューの中で、こう述べています。
「植物に音楽を流すことは、最初聞いたときは奇妙に思えるかもしれませんが、実はそうではありません。植物は土壌中の流水の振動などの振動に同調し、生物学的に反応するため、クラシック音楽が植物の成長に影響を与える可能性があります。一方、ロックの様々な周波数は、植物の成長を促進する音の範囲から外れている可能性があります」
研究者たちは、家庭菜園でクラシック音楽を流す前に、他の要因を排除するために、さらに多くの研究が必要だと指摘しています。