ヒューイ・ルイス(Huey Lewis/74歳)は2018年にメニエール病という稀な聴覚障害を患っていることを公表し、ツアー活動から引退しています。米PEOPLE誌の新しいインタビューの中で、メニエール病と共に生きる近況を語っています。「聴力は完全に失われた。人工内耳のおかげで日常生活はだいぶ楽になったけど、音楽を聴くことはできない」。それでも「結局のところ、僕はまだ幸運な人間だ」と思っているという。
メニエール病とは、聴覚やバランス感覚をコントロールしている耳の中の内耳という組織がむくむことで内リンパ水腫と呼ばれる状態になる疾患です。激しいめまいやふらつき、難聴、耳鳴りを繰り返すのが特徴です。
「もう若くはないから、いつか何かが起こるものだよ。これが僕の運命だ。
頭の中に人工内耳を埋め込んでいるんだけど、それのおかげで、今では会話はだいぶ聞き取れるようになった。両耳の聴力を失い、激しいめまいもあったが、ある程度克服した。幸運が続きますように。今は常に軽いめまいがある状態で、聴力は完全に失われた。人工内耳のおかげで日常生活はだいぶ楽になったけど、音楽を聴くことはできない。一番つらいのは、演奏したり歌ったりすることができなくなること以上に、音楽そのものを楽しむことができなくなってしまったことだよ。
(パフォーマンスとレコーディングは)最高の気分だった。でも、もうそこには戻れないだろう。挑戦はするし、諦めはしない。努力は続ける。でも、あの楽しさ、あの素晴らしい体験は…もう二度と味わえないと思うよ…」
ルイスはメニエール病と診断を受けた当時を振り返っています。
「絶望的だった。本当にひどい6ヶ月間で、ほとんど寝たきり状態。死を考えた。“どうやって命を絶とうか”と。人生が終わったと思ったからね。
もちろん、どんなことにもだんだん慣れていくものさ。結局のところ、僕はまだ幸運な人間だ。僕より大変な状況の人はたくさんいる。(つらくて)時々それを忘れそうになるけど、子供たちが思い出させてくれる。息子がある時電話してきてくれて“パパ、釣りに行こうよ”と言ってくれた。そう、リセットされるんだ。バランスを取り直さなきゃいけないけど、人生が最悪ってわけじゃない...以前ほど良くはないけど、それでもまだ多くの人より恵まれているんだ」
ルイスの創造力は依然として旺盛で、現在はヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのブロードウェイミュージカル『ザ・ハート・オブ・ロックンロール』の制作を続けています。