
Morten Harket (photo by Stian Andersen)
「Take On Me」のヒットでも知られる
a-haのフロントマンである
モートン・ハルケット(Morten Harket/65歳)は、自身がパーキンソン病と診断されたことを明かしています。再び公の場でパフォーマンスできるかどうかわからないという。
ハルケットは、バンドの公式ウェブサイトに掲載された伝記作家ヤン・オムダールとのインタビューの中で自身の病状を公表しました。
インタビューでハルケットは、パーキンソン病が自身の体に及ぼす影響を抑えるために2度の脳手術を受けたことを明かしています。
オムダールの報告によると、2024年に高度な脳手術を受け、脳の深部に電極を埋め込みました。これは胸部上部の皮膚の下に埋め込まれたペースメーカーのような装置と接続されており、脳の活動を調節するための電気信号を送信します。投薬による治療と組み合わせることで、この装置はパーキンソン病に関連する症状を軽減するのに役立っています。
しかし、このような治療を受けていても、この病気は依然として、ハルケットの睡眠やエネルギーレベル、そして声に影響を及ぼしています。現在、歌えるかどうか尋ねられると、ハルケットはこう答えています。
「正直、分からない。歌う気が起きない、僕にとってはそれが兆候だ。うまくいくと思うことに関しては、僕は柔軟な考えを持っている。完全な技術的なコントロールを達成できるとは期待していない。問題は、声で自分を表現できるかどうかだ。現状ではそれは不可能だ。将来的にそれが可能になるかどうかは分からない」
「電極の周波数と方向を調整すると、声の領域にも影響を与えることができるが、まだそれを捉えて制御することはできていない。声の問題は特にドーパミンサプリメントを摂取した際に顕著になる。ドーパミンを摂取しないと声は落ち着くけど、その代わりに基本的な症状がより強く現れるようになるんだ」
診断にもかかわらず、ハルケットは前向きな姿勢を保っています。
「診断を受け入れることに全く問題はない。時が経つにつれ、94歳の父が、体が徐々に衰えていく時に対して示した“使えるものは何でも使う”という姿勢を心に刻むようになった」
ハルケットの病気は、ごく親しい数人の人たちにしか知られていませんでした。病気を公表することによる予測不可能な影響から、彼は発表を控えていました。ハルケットはこう続けています。
「心のどこかで、それを明らかにしたいと思っていた。先ほども言ったように、診断を受け入れること自体は問題ではなかった。僕を止めていたのは、仕事をするために必要な平和と静けさ。僕は自分の全身が衰えないようにできる限りのことをしている。薬を服用しながらその副作用を抑える、そのバランスをとることは難しい。体の複雑な動きをマスターしたように真似ようとしたり、社交的なことや誘いに対応したり、日常の生活全般を巧みにこなそうとしたりすると、考えるべきことが山ほどあるんだ」
また彼は音楽を完全に諦めているわけでもありません。
「ここ数年、僕は強い信念を持って曲作りを取り組んできた。特に歌詞には、僕のこれまでとは異なる側面が反映されていると感じているよ。それらを完成させてリリースできるかどうかはわからない。時が経てば分かるだろう。パーキンソン病患者として、アーティストとして、既存の枠にとらわれない何かに挑戦するという考えがとても気に入っている。すべては自分次第。まずこれを片付けなければならないんだ」