エレクトリック・プルーンズのリード・シンガーで創設者のジェームズ・ロウ死去

米サイケデリック・ロック・バンド、エレクトリック・プルーンズ（The Electric Prunes）のリード・シンガーであり創設者のジェームズ・ロウ（James Lowe）が死去。彼の家族がSNSで発表。82歳でした。

以下、家族の声明より

「私たちは、最愛の父ジェームズ・ロウ（エレクトリック・プルーンズのリードシンガーであり創設者）が亡くなったことを、深い悲しみとともにお知らせいたします。

父は2025年5月22日（木）、自然の摂理に導かれて安らかに永眠しました。最期には音楽に包まれ、素晴らしい母と私たち3人の子供たち（リサ、キャメロン、スカイラー）に見守られていました。

父は音と愛、そして無限の創造性というレガシーを残していきました。その中心にはいつも、父の導きの星であり、永遠のミューズであり、62年間共に歩んだ、私たちの素晴らしい母パメラがいました。

父がこのコミュニティをどれほど大切に思っていたか、私たちもよくわかっていますし、その愛を強く感じています。

父の言葉を借りれば、ロック・オン！ 私たちもそうします。

ロウ家一同」

ジェームズ・ロウことタデウス・ジェームズ・ロウは、1943年にカリフォルニア州サンルイスオビスポで生まれ、ウェスト・ロサンゼルスで育つ。1963年にフォーク・デュオで歌とギターを演奏しながら音楽キャリアをスタートさせ、同時にロケット製造会社で働いていた。彼は一時ハワイに移住したが、1965年にロサンゼルスに戻り、ベーシストのマーク・チューリン、リードギタリストのケン・ウィリアムス、ドラマーのマイケル "クイント" ウィークリーと共にバンド、サンクションズ（Sanctions）を結成した。

このバンドはその後、エレクトリック・プルーンズと名乗り、1966年にリプリーズ・レコードと契約し、その年の後半に最初のシングル「Ain't It Hard」をリリースした。ファースト・アルバム『The Electric Prunes（邦題：今夜は眠れない）』には、全米チャート入りした2曲「I Had Too Much to Dream Last Night」と「Get Me to the World on Time」が収録されている。

1967年にはセカンド・アルバム『Underground』をリリースし、1968年初頭にはクラシックと宗教的要素を融合させた野心的なプロジェクト『Mass in F Minor』を発表した。この頃、バンドメンバーはデヴィッド・アクセルロッドが作曲した革新的で複雑なアレンジをこなすことができず、オリジナルのエレクトリック・プルーンズは1968年までに解散した。『Mass in F Minor』と次回作『Release of an Oath』はバンド名でリリースされたが、大部分は他のスタジオミュージシャンによって演奏された。

バンドが1968年に解散した後、ロウはプロデューサー兼エンジニアとして活動し、トッド・ラングレンやスパークスなど多くのアーティストの制作に携わった。ロウはその後、音楽業界を離れ、テレビ制作に携わっていたが、1999年に他のオリジナル・メンバーと共にエレクトリック・プルーンズを再結成させ、ツアーを行い新曲を録音した。

2011年にマーク・チューリンが亡くなった後、ロウは唯一のオリジナル・メンバーとしてバンドで活躍していた。