「ニューヨークに移ろうを決めたのは、ラーズが俺たちをマネージメントしたい人物を見つけたからだった。その男はジョン・ザズーラで、メガフォース・レコードを経営していた。彼は俺たちのデモテープ『No Life 'Til Leather』を聴いて、世界中の他の人たちと同じように完全に夢中になった。彼らはバンドを呼び寄せてレコーディングをさせたがっていた。その道中、俺たちは交通事故に遭った。雪の中を走行していた。デンマーク出身のラーズを除いて、俺たちは誰も雪道の運転の経験がなかった。俺は24フィート(約7.3メートル)のライダー・トラックを運転していて、牽引バーでジェイムズのピックアップトラックを後ろに連結していた。運転中に黒い氷に滑って、トラックがスピンしてしまった。なんとか高速道路の中央で車体を立て直したが、トラックは停止し、対向車がこちらに向かって来ていた。
ニューヨークに行った時、俺は2日分のギターリフが録音された1/4インチテープを持っていた。俺がただひたすら弾きまくったやつだ。そのテープとテーププレイヤーをニューヨークに持って行った。そこで2回ライヴをやって、その後の朝、俺は起こされて“お前はクビだ”と言われた。“何言ってんだ?”と返したら、“お前はクビだ”だと。俺は“警告もなし? やり直しのチャンスもくれないのか? いきなりクビだと?”。不公平だと思ったよ。人間性のかけらもない卑劣なやり方だった。だから本当に頭に来たし、それが後の原動力になった。当時は本当に怒っていて、あいつらのことが許せなかった。去り際に“俺の音楽を使うな”と言ったのに、もちろん使われた。『Ride The Lightning』(のタイトルトラック)が俺が書いた。“The Call Of Ktulu”も。他には? “Phantom Lord”、“Metal Militia”、“Jump In The Fire”、“The Four Horsemen”もだ。(『Master Of Puppets』収録の)“Leper Messiah”も大半書いた。クレジットされなかったが、リフを聴けばば、それが俺のリフだとわかる。自分のリフを聴いて“これは俺じゃない”なんて言うと思うか? そう、あいつらの音楽の多くは俺が書いたもので、最初のアルバムのソロは全部俺のやつだ。カークが必死にコピーしたやつさ」
「家に帰って友達に連絡して“辞めた”と言った。そしたら彼女が“違うでしょ、クビになったんでしょ”と言われた。俺は“ああ、クビだ。辞めたんだ。クビになったんだ。どうでもいいけどな。とにかく帰ってきた。言葉の間違いだ。結果は変わらない”と返した。それから、絶対に“辞めた”と言わないようにした。俺が不当に解雇されたこと、そして俺はまったく気にしてないことをみんなに知ってほしかったから。確かにメガデスはメタリカほど大きくないかもしれない。でもな、彼らの大ヒット曲“Enter Sandman”ってあるだろ? 今すぐバンド、EXCELで検索してみろ。確か“Into The Unknown”って曲だろ思う(※実際の曲名は“Tapping Into The Emotional Void”)。すごく似てるから」