![A Sunburst Les Paul from 1959 “Keithburst”- Keith Richards played“The Ed Sullivan Show”in 1964 [The Metropolitan Museum]](https://amassing2.sakura.ne.jp/image/jacket/large/2025/138247.jpg)
A Sunburst Les Paul from 1959 “Keithburst”- Keith Richards played“The Ed Sullivan Show”in 1964 [The Metropolitan Museum]
歴史的なエレクトリックギターとアコースティックギターを何十年もかけて密かに収集してきた人物。米The New Yorker紙によると、「1920年から1970年にかけてのアメリカのギター製作の黄金期に作られた最高級ギター500本」からなるこのコレクションをメトロポリタン美術館に寄贈しました。これらのヴィンテージギターは、その多くがそれらを使って書かれた音楽を通じて世界を変えたものであり、また、それ自体が見出しを飾るほど価値のあるものだという。このコレクションは、ギターがポピュラー音楽に与えた影響について紹介する常設ギャラリーの中心となる予定です。2027年春に公開予定。
このコレクター、いや、楽器マニアとでも言うべき人物は、出版界の相続人であり金融業者でもあるダーク・ジフです。彼自身も熱心なギタリストで、カーリー・サイモンとレコーディングやツアーを行った経験もあります。ヴィンテージギターの鑑定家であるペリー・マーゴレフがアドバイザーとして彼に協力しており、1987年から彼らはコレクションを築き上げてきました。
メトロポリタン美術館の楽器部門キュレーターであるジェイソン・ドブニーは、2011年に初めてマーゴレフと会いました。その時、彼は長年噂されていた「秘密の宝庫」とも言われるギターコレクションの一部を密かに見せてもらいました。
「あまりにも秘密主義だったので、メトロポリタン美術館のキュレーターである私が訪れたときも、実際に何があるのか全く知りませんでした。私はただ8本のギターを見ただけでした」と、彼はThe New Yorker紙に語っています。
その後、2019年、メトロポリタン美術館で開催された、ロック史全体から象徴的な楽器を展示した展覧会『Play It Loud』にジフが訪れた時、ドブニーは彼と会いました。この展覧会は近年で最も来場者の多いイベントの一つとなり、美術館に新たな層の来場者を引きつけるのに貢献しました。そして、これがジフに自身のコレクションをようやく公開する決心をさせたのです。
このコレクションは、まさに圧巻です。
レオ・フェンダーが1948年に製作した最初のギター、レス・ポールが1941年に製作したエピフォン「クランカー」(レス・ポール本来の系譜を示す風変わりな実験作)、ローリング・ストーンズが1964年に『エド・サリバン・ショー』に初出演した際にキース・リチャーズが使用した1959年製「バースト」レス・ポールなども含まれています。
もちろん、戦前のマーティンも重要な役割を果たしています。ロイ・ロジャース愛用の1930年製OM-45も含まれています。また、1853年製と考えられている、同年のクリスタル・パレス万国博覧会で展示されたマーティンもあります。
その他にも、製作、演奏、あるいはその両方において重要なギターがコレクションには含まれています。グレッチが1955年に製作したチェット・アトキンスのシグネチャー・ギターの最初のプロトタイプ、ニール・ヤングが演奏した1958年製のコリーナ・ギブソン・フライングV、ポール・ビグスビーが1948年に製作した2番目のソリッドボディ・ギター、そしてデザイナーのロイド・ロアーのサインが入った1924年製ギブソンL-5アーチトップの最初の量産モデルなどもあります。
マーゴレフはThe New Yorker紙のインタビューの中で、こう話しています。
「1924年の自動車と今日の自動車を見比べたら、その変化があまりに劇的で、全く別物に見えるでしょう。でも、今日楽器店に行って新しいギブソンL-5を買っても、この(昔の)モデルと全く同じに見えるかもしれません。最初から完璧だったのです」
ジフはこう話しています。
「1987年にペリーと共にこの旅を始めて以来、私たちの目標は、歴史的かつ文化的に重要な多くのアメリカ製ギターを収集し、それらを後世の世代のために保存することでした。私たちのビジョンが、世界で最も偉大な文化機関で認められたことは、本当に感動的です。世界中の多くのギター愛好家がこれらの偉大な楽器にアクセスできるようにすることで、美術館の活動範囲と影響力を広げる一助となれることを光栄に思います」
『Play it Loud』展にも協力したジミー・ペイジもコメントを寄せています。
「このプロジェクトにこれほど多くの情熱が注がれていることを知って感動しています。このプロジェクトを支えてきた人々、そして今後何世代にもわたって非常に重要なものとなるものを構築することに尽力しているメトロポリタン美術館に敬意を表したいと思います」