英ハードロック・バンド、
サンダー(Thunder)のヴォーカリストである
ダニー・ボウズ(Danny Bowes)は2022年8月に脳卒中を起こしました。ボウズはレオナ・グラハムのポッドキャストの最新エピソードに出演し、命にかかわる病気と現在の回復状況について語っています。
「簡単に言うと、パーティーで脳卒中を起こした。妻に“体調が悪い”と伝え、真夜中頃に寝ようと思い、部屋(の前)に戻った時は問題はなかったんだ。妻はハイヒールでよろめきながら歩いていたけど、俺は大丈夫だったしね。無事に部屋に着いて、階段の一番上で、妻が部屋の鍵をいじっている時に、俺は後ろに倒れて階段を転がり落ちたんだ。その後、病院に運ばれ、5時間ほど手術を受けた。
最初は誰も(脳卒中だ)気づかなかった。頭を打った場所が、脳卒中が起きた場所の真上だったからね。両方のことが起きていたことに気付いたのは、後になってからのことだったんだ。だから、単純な状況ではなかった。そうだな。正直言って、この3年間は楽しい時間だったとは言えない。楽しくなかったよ」
Q:今は歌えないんですか?
「実は咽喉頭異常感症(Globus Pharyngis)というものになってしまったんだ。原因は分かっていないし、どうすれば治るのかも分かっていない。トラウマになるような出来事が関係しているんじゃないかと言われている。脳にとってのフェイクニュースみたいなもので、喉に何かが詰まっていると脳が勘違いしているんだ。実際には何も詰まっていないのに。大きな声で歌うことはできるし、小さな声で歌うことはできるが、それらを繋げることができない。その切り替えができないんだ。だから、それができるようになるまでは、また歌えるようになるなんて、とても考えられない状況なんだ。でも、頑張っているよ。精一杯努力している」
ダニーはまた、ツアー中に凍死寸前だったバンドメイトの命を救ったエピソードも語っています。
「バンドを始めたばかりの頃の話だ。バンドをやっていると、ある程度の不便さは我慢しなきゃいけない。バンに飛び乗って、どこかに演奏するために行って、素晴らしいライヴをして、バンで寝て、家に帰る。そんなツアーを俺らはやった。
現実は、思っていたほど良いものではなく、バンドは、俺がヴォーカルだから、声を失うわけにはいかないと考えて、他のメンバーがバンで寝ている中、俺はゲストハウスで泊まることができた。他のメンバーは交代で、バンで何人か、ゲストハウスで何人か泊まるようにしていたから、ゲストハウスに入ることができて、とても感謝している。ただ、夜中にベッドに飛び込むと、シーツが全部 Bri-Nylon製だった。感電しなかったのは本当にラッキーだったよ。本当の話だ。ベッドから起き上がると、火花が見えるんだ。とにかくひどかった。
あれはウェールズでの出来事だった。忘れられない。真夜中にゲストハウスに戻った。俺たちは酔っ払って午前3時に外に出て、その後、ゲストハウスに戻ったんだけど、Bri-Nylonのシーツのベッドに飛び込んで感電したんだ。で、その間ずっと、ドラムのハリー(ジェイムズ)がバンの中でマットレスのようなものを敷いて寝袋に入って寝ていた。冗談抜きで、その日が一晩中凍えるような寒さだった。彼はカチカチのトランジットバンの中で寝ていた。翌朝、俺たちは(施設の)裏口を入った。(駐車場含む会場を管理する男たちが施設に鍵をかけたため)彼は外に出られなかったので、彼は閉じ込もっていなければならなかった。で、バンを開けて彼を見たら、冗談じゃなく、彼は青ざめてた。顔も青かった。で、カフェに連れて行って、甘い紅茶を飲ませて、顔色を戻そうとしたんだ。本当の話だ。顔色が戻るのに、たぶん30分くらいかかって、紅茶を6杯くらい飲んだと思うよ」
Q:バンを開けた時、彼は寝ていたんですか?
「いやいやいや、寝てないよ。寝袋の中で震えながら横たわってただけ。正直、起き上がることすらできなかったみたい。もしもっと長く放っておいたら、そこで死んでいただろうね。この話はここだけの話にしておいて」