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【update】米ロックバンド、メキシコ国籍だが米国永住権を持つドラマーが米国税関・国境警備局に拘束されたと報告、欧州ツアーは中止に

2025/05/15 12:40掲載(Last Update:2025/05/16 11:42)
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Lord Buffalo
Lord Buffalo
米テキサス州オースティンを拠点とするロックバンド、ロード・バッファロー(Lord Buffalo)は、ヨーロッパツアーのため飛行機に乗る予定だったところ、ドラマーのヤマル・サイードが米国税関・国境警備局の職員によって機内から強制的に降ろされ、拘束されたと報告。これにより、バンドは欧州ツアーを中止しました。サイードは、メキシコ国籍ですが、米国永住権を持ち、1980年代からオースティンに住んでいるにもかかわらず拘束されたという。

バンドはSNSでこう報告しています。

「大変残念ですが、今後のヨーロッパツアーを中止せざるを得ないことをお知らせします。私たちのドラマーはメキシコ国籍で、アメリカ合衆国の永住権保持者(グリーンカード保持者)ですが、5月12日(月)にダラス・フォートワース国際空港で税関・国境警備局(CBP)によってヨーロッパ行きの便から強制的に降ろされました。彼は現在も解放されておらず、連絡も取れていません。私たちは現在、移民弁護士と協力してさらなる情報を入手し、彼の解放を働きかけています。このツアーを中止しなければならないことは大変残念ですが、私たちはヤマルの安全と自由のために全力を注いでいます。この状況が一時的な障害であり、将来的に安全にツアーを再スケジュールできることを願っています。私たちの不在中、ツアーパートナーの Orsak:Oslo はツアーを継続して行います。皆様には、この素晴らしいバンドをぜひ見に行って、今後数週間にわたって彼らをサポートしていただくよう強くお願いいたします」

「更新:皆様からの温かいご支援に心より感謝申し上げます。本当に力になります。私たちのドラマーは必要な法的代理人を確保し、今後の展開を待っているところです。重ねて申し上げますが、私たちも何が起こっているのか本当に分かっていません。答えよりも質問の方が多くありますが、可能な限り最新情報をお伝えしてます。現在、家族はこの状況に対処するため、プライバシーを尊重してほしいと求めています」

トランプ大統領が2期目の任期に就いた際、彼は米国史上最大の強制送還キャンペーンを実行すると公約しました。大統領就任から3ヶ月以上が経過しましたが、彼の政権による取り締まりは、合法的な滞在資格を持たない不法滞在の移民だけでなく、永住者、留学生、ビザ保持者、観光客までも巻き込んでおり、トランプ大統領は米国市民も次に強制送還の対象になる可能性があると述べています。

【update:2025/05/16 11:38】

テキサス州オースティンを拠点とする公共ラジオ局KUTは、ドラマーのサイードが飛行機から降ろされて拘束された件は、刑事事件に起因する可能性があり、移民関連の措置とは関係ないようだと報じています。

KUTは、税関・国境警備局(CBP)の広報担当者は5月14日、サイードの拘束は有効な逮捕状に基づくものだと確認したと報じており、KUTは、税関・国境警備局はその後、サイードを現地の警察に引き渡したと報じています。

KUTは続けて、こう報じています。

「オンラインの拘置所記録によると、サイードは過去1年間に少なくとも2回、保護命令(いわゆる接近禁止命令)に違反したとして、タラント郡の拘置所に収容されています。テキサス州では、これは重罪にあたります。有罪判決を受けた場合、最低でも2年の禁固刑となる可能性があります。サイードの逮捕状は、ラノ郡保安官事務所によって発行されました」

KUTは、この件についてバンドにも連絡を取りましたが、バンドからはコメントがないと伝えています。

オースティンの刑事弁護弁護士ジョージ・ロブはKUTの取材に応じ、重罪の逮捕状を持つ人物を国際線から降ろすことは珍しいことではないと述べています。