
Meat Loaf / Bat Out Of Hell
トッド・ラングレン(Todd Rundgren)は、
ミートローフ(Meat Loaf)が1977年に発表したスタジオ・アルバム『地獄のロック・ライダー(原題:Bat Out of Hell)をプロデュースしました。トッドは米Guitar Worldの新しいインタビューの中で、“史上最も売れたアルバムの一つとされる”本作をプロデュースした本当の理由を明かしています。「成功するかどうかなんてどうでもよかったんだ。ただ
ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)をからかいたかっただけなんだよ」。
このアルバムはもともと、作曲家のジム・スタインマンが1974年にワークショップのために書いた「ピーター・パン」の未来的なロック版として構想されたミュージカル『ネヴァーランド』から生まれました。演劇界で活躍していたミートローフはスタインマンと出会い、やがて二人は『地獄のロック・ライダー』となるプロジェクトの制作に取り組み始めました。
トッドはこう振り返っています。
「ミート・ローフはとにかく奇妙だった。当時の基準からすれば、彼はただの奇妙な奴だったんだ。どのプロデューサーも彼らをどう扱っていいか分からなかった。曲がとても長かったからね」
プロデューサーたちがこのプロジェクトを理解するのに苦労していたことに加え、レコード会社も、特に当時としてはあまりにも型破りなアルバムを引き受けることに躊躇していました。では、トッドは、何がきっかけで参加することになったのでしょうか?
「僕は当時、ある種の心境にあり、あのレコードを作ることは僕にとってある種の復讐を意味していたんだ。僕は進歩に強くこだわっているし、物事は循環するものだと知っている。特に音楽業界では、ご存知のように、変動の期間を経験する。時折、変化が必要になる時期が訪れるものなんだ」
トッドをミートローフへと導いたもう一つの理由は、ブルース・スプリングスティーンの絶大な人気と、トッドの意見では、当時のボスの過剰な露出が理由でした。
「彼(ブルース・スプリングスティーン)はタイム誌の表紙を飾り、まさに“ロックンロールの救世主”だった。彼はイエスのようで、ロックンロールを救おうとしていた。
ブルース・スプリングスティーンを聴いてると、長い曲ばかりで、どれも50年代について歌っている。それで“ちょっと待てよ…またこれを繰り返すのか?バイク?飛び出しナイフ?革ジャン?また同じことを繰り返すのか?”と思ったんだよ。
“ロックンロールを最初から作り直すのか?冗談じゃない”と思ったから、ミートローフを見たとき、“これはブルース・スプリングスティーンのパロディだ。だから俺がやるんだ”と思った。あとは、みなさんがご存知の通りだよ。成功するかどうかなんてどうでもよかったんだ。ただブルース・スプリングスティーンをからかいたかっただけなんだよ」