
Marcus King playing the YardBurst at Red Rocks Amphitheatre (Image credit: Matt's Guitar Shop)
ジェフ・ベック(Jeff Beck)が
ヤードバーズ(The Yardbirds)時代に使用していたことで「ヤードバースト」と呼ばれている1959年製ギブソン・レスポールは、2025年1月にオークションに出品され、40万3200ポンド(約7800万円)で落札されました。入手したMatt's Guitar Shopのオーナー、マチュー・ルカスは「ケースの中で眠らせておくなんて、そんなのはジェフ・ベックらしくない」と考えており、「このギターが生き続け、呼吸し、弾かれ続けるようにする」ために、現代のツアーミュージシャンに貸し出して、新たな活躍の場を与えるプロジェクトを4月から始めています。
最初に貸し出したのは、
レニー・クラヴィッツ(Lenny Kravitz)の長年のギタリストである
クレイグ・ロス(Craig Ross)でした(詳しくは
こちら)。
そして先日、新たに第2弾として、
マーカス・キング(Marcus King)、そのキングの長年のコラボレーターであるドリュー・スミザース、そしてアイスランドのロック・バンド、カレオのヨークル・ユーリウスの3人に貸し出されました。コロラド州のレッド・ロックス・アンフィシアターで行われた、カレオのアルバム『Mixed Emotions』のリリースを祝うイベントで、3人が弾いています。キングは、ライヴの最初の3曲(「The Well」を含む)で「ヤードバースト」を弾いています。
ルカスは米Guitar Worldの新しいインタビューの中で、こう話しています。
「興味深かったのは、彼らのプレイスタイルが全く異なるにもかかわらず、ヤードバーストの伝説的な音色が毎回際立っていたこと。毎回完璧にフィットしていた」
ルカスは、こういった伝説的なギターを現代のプレイヤーに貸すことは、「伝統を継承していく」ために不可欠だと考えているとも話しています。
「音楽業界を長期的に見ると、10年から15年後、もしかしたらそれより早く、今日のレジェンドたちの多くはもうツアーをしていないかもしれません。かつてジミー・ペイジ、ジミ・ヘンドリックス、ジェフ・ベックなど多くのアーティストが演奏したヤードバーストを、現代のアーティストたちの手によって生き続けさせること以上に、過去を称える良い方法があるでしょうか?」
「ヤードバースト」を弾いてほしいギタリストの候補について、彼はこうも話しています。
「エリック・クラプトンは夢の組み合わせだね。ジョー・ペリーも素晴らしい。彼はジェフ・ベックを敬愛していたからね。ジョー・ボナマッサもきっと美しいトリビュートを奏でてくれるはず。もう一度ジミー・ペイジにこのギターを見てもらえるなら、それは大変な名誉だ。
でも、すべてのギタリストに弾いてほしい。伝説的な楽器は演奏され、未来の世代を刺激するために存在するんだ」