イエス(Yes)のロゴをデザインした
ロジャー・ディーン(Roger Dean)は、このデザインがどのように生まれたのかを自身のSNSで語っています。1972年に描き、その後、ほぼ10年間はそれだけで済んでいたため、ある時期はサイン会でイエスのロゴも入れてほしいとファンから頼まれても「どうやって描いたのか思い出せない」から断っていたこともあったという。
以下、ロジャー・ディーンのSNSアカウントより。
「クラシックなイエスのロゴは、1972年にロンドン・ヴィクトリア駅からブライトンへ向かうブライトン・ベル号の車内で、スケッチを6枚描いているなかでデザインされました。
ブライトンに着く頃にはスケッチは6枚になり、ロゴは完成してました。あとはペンとインクで仕上げるだけでした。
その後、ほぼ10年間はそれだけで済んでいました。
私の本が出版されて数年後のこと、サンフランシスコでサイン会をしていたとき、イエスのロゴをサインに入れてほしいと頼まれましたが、申し訳ないけれどできないとお答えしました。
がっかりしたお客様が“法的な理由ですか?”と尋ねました。私は“いいえ!単にどうやって描いたのか思い出せないだけです!”と答えました。
彼は納得せず、“それはおかしい!僕は学校の教科書に何千回も描いたことがあるのに”と言いました。私は“そこがあなたの優位なところなのです。あなたは何千回も描いていますが、私は一度しか描いておらず、筋肉の記憶がないのです”と伝えました。
私は彼のためにロゴを描きましたが、ゆっくりとスケッチのように描き、サインのように自由に描くことはできませんでした。
オリジナルの6つのスケッチと、『Tales From Topographic Oceans』のために描かれた小さなオリジナルカラーヴァージョンは、すべてヴィクトリア&アルバート博物館のドローイングとプリントの永久的なコレクションに収蔵されています。
異なるプロジェクトのために色違いのヴァージョンを描いた以外は、1980年にクロームの『Drama』ロゴを描くまで、基本の絵には一切手をつけていませんでした。その後はイエスのロゴのヴァージョンを40~45点ほど描いてきました」