
Craig Ross (Image credit: Matt’s Rock Gallery by Baptiste Marcon )
ジェフ・ベック(Jeff Beck)が
ヤードバーズ(The Yardbirds)時代に使用していたことで「ヤードバースト」と呼ばれている1959年製ギブソン・レスポールは、2025年1月にオークションに出品され、40万3200ポンド(約7800万円)で落札されました。入手したMatt's Guitar Shopのオーナー、マチュー・ルカスは「ケースの中で眠らせておくなんて、そんなのはジェフ・ベックらしくない」と考えており、「このギターが生き続け、呼吸し、弾かれ続けるようにする」ために、現役のツアーミュージシャンに貸し出して、新たな活躍の場を与えるプロジェクトを始めています。
まず最初に貸し出したのは、
レニー・クラヴィッツ(Lenny Kravitz)の長年のギタリストである
クレイグ・ロス(Craig Ross)。ルカスはロスに話を持ちかけ、クラヴィッツのBlue Electric Lightツアーのヨーロッパ公演の全日程で、そのギターを使ってもらうことにしました。
ルカスは米Guitar Worldのインタビューの中で、こう話しています。
「面白いことにね、自分のギターをヨーロッパツアーの全行程に貸し出すなんて、これが初めてなんだ。クレイグに電話して、そのアイデアを伝えた。彼はドイツにいたと思う。彼はすぐに乗り気になって、すごく喜んでくれたよ。
パリ公演の数週間前に正式に決まった。実は、オークションのわずか数日後にクレイグに、このギターの写真を送ったことがあって、彼も僕とまったく同じ反応だったんだ。“このギターは生ける伝説だ”ってね。
ヤードバーストを彼に貸すことは、スラッシュ、ビリー・ギボンズ、レニー… そういった錚々たる面々に渡すのと同じくらい、僕にとっては大きな意味があった。人々は、今この瞬間にクレイグ・ロスのライヴ演奏を聴けることがどれほど幸運なことか、必ずしも分かっているわけじゃない。
クレイグは、ジェフ・ベックが彼とレニーのライヴを見るのが大好きだったとも言っていたよ。だから、本当に巡り巡った感じだよ」
ヤードバーストがロスとの契約を終えたとしても、このギターがケースにしまい込まれ、二度と日の目を見なくなるわけではありません。ルカスはこう続けています。
「そう、このギターはまた演奏されるだろう。ステージで。人々の前で。このギターには、その未来しか見えません」
以下はクレイグ・ロスによる演奏の映像