1988年の
ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N' Roses)の初来日公演。
スラッシュ(Slash)と
イジー・ストラドリン(Izzy Stradlin)は密かにドラッグを日本に持ち込もうとするが、ロサンゼルスの空港で当時のマネージャーにバレて「絶対に捕まる」と言われて断念。2人は捨てることはできず、空港ですべてを使用して日本行きの飛行機に乗ったという。ガンズ・アンド・ローゼズの元マネージャー、アラン・ニヴェンが英Classic Rock誌の最新号で語っています。
アランは、ガンズと共に過ごした日々をつづった回顧録『Sound N' Fury: Rock N' Roll Stories』を海外で6月に出版します。
英Classic Rock誌の最新号で、アランはガンズの初来日ツアーのためにロサンゼルス国際空港で出発する準備をしていた時のことを振り返っています。
バンドメンバーは、遅刻しているアクセル・ローズを待っていました。アランはアクセルは「おそらく彼は荷造りをしていたのだろう」と推測しています。
すると、イジーはアランにアクセルがどこにいるのか尋ねました。アランが答えると、イジーは「気にしない。準備万端だ。隠し場所がある」と言い、小型のラジカセを掲げました。アランはそれは「お気に入りの曲」の隠し場所を意味していることを期待しましたが、それが彼の「ドラッグ」であることを確認したとき、すぐにがっかりしたという。
イジーは、自分のドラッグをアルミホイルで包んでラジカセの電池入れの下に隠しておけば、セキュリティチェックを問題なく通過できると考えていましたが、アランはこう反論しました。
「犬やあらゆる種類の電子探知機があるんだだ。そんなものを持って行けないよ。確実に捕まる。今すぐ捨ててこい。現地で手に入れられるだろうから」
そう説明されたイジーは「いいクスリなのに無駄になってしまう」と言ったあと、そそくさとその場を立ち去ったという。
ほどなくしてスラッシュが現れ、同じような質問を受けました。「持ってないと言ってくれ」とアランが言うと、スラッシュは即座に身構え、なぜだと理由を尋ねました。アランはイジーのラジカセの件を説明すると、スラッシュはすぐにトイレに向かって歩き出しました。
イジーが戻ってきましたが、アランによると「彼はしばらく立ち尽くし、少しよろめいてから、膝から崩れ落ちた」という。どうやら彼は、隠し持っていたものを流すのではなく、すべて使ってしまったようです。
「スラッシュはなんとか自分の足で747の自分の席までたどり着きましたが、まさにぎりぎりの状態でした。 彼もまた“無駄にせず、欲しいものを手に入れよう”という倫理観を持っていたのです」とアランは続けています。
結局、スラッシュとイジーはなんとか無事に日本に到着しましたが、アランはアクセルが到着する翌日まで自宅で足止めを食らっていました。「翌日、アクセルと二人で別の航空会社のフライトを予約し直さなければならなかった」と彼は説明しています。