スティーヴ・ヴァイ(Steve Vai)は「2人のデイヴィッドの物語」を語る。ヴァイは過去に2度、ライヴ中に起きたハプニングで仰向けに倒れて気を失ったことがあったそうで、目を開けると、1度目は
デイヴィッド・リー・ロス(David Lee Roth)が、2度目は
デイヴィッド・カヴァデール(David Coverdale)が同じように自分の上に立っていたという。ヴァイはMusicRadarの最近のインタビューの中で、これを「2人のデイヴィッドの物語」と呼んで振り返っています。
「1つはデイヴィッド・リー・ロスの時。どこかの大きなアリーナで演奏していたんだけど、たまに物を投げる人がいる。飛んでくるのが見えれば問題ない。それに合わせて演奏しながら、かわすこともできる。キャッチすることさえできる。
何かが飛んでくるのが見えたのでキャッチしようとしたら、目の前の6フィート(約1.8メートル)くらいのところで爆発したんだ。ものすごい爆発で、僕は宙に浮いた。自分の足が見えた後、完全に気を失って仰向けに倒れてしまったんだ。
目を開けると、2万5千人の観客がいて、デイヴが僕の上に立っていて、“おい!おい!大丈夫か?”と聞いてきた。僕が大丈夫だと答えると、立ち上がるなって言われた。
デイヴはいつも、どうすれば面白くなるかを知っていた。
みんなが僕をステージの裏に連れて行き、すると、デイヴが言った。“あそこに出て行くときは、手を上げる前に、めちゃくちゃ酔っ払ったように振る舞え!”とね。
観客のみんなは、何が起こるのか固唾を飲んで見守っていた。みんな僕の身を案じ、ライヴは続けられるのか心配していた。
僕は、めちゃくちゃに酔っ払ったような変な歩き方をして、手を上げたんだ。言っとくけど、会場は大爆笑で、最高だったよ。それから“Jump”を演奏したんだ!」
ヴァイは続けて、ホワイトスネイクのステージで起きた似たような出来事を振り返っています。
「それほど違いはなかったよ。僕は数年後、ホワイトスネイクとしてジョーンズ・ビーチ・シアターで雨の中で、大きなハート型のギターを弾いていた。
普段から足元にかなり気をつけている。決して転ばない。フットレーダーを使ってペダルの位置を把握しているから、ロックスターのように振る舞うことができる。
僕は後ろに下がっていて、モニターが後ろにあることを知っていたので、それをまたぐように動いたんだけど、僕のブーツには拍車が付いていた。その拍車がモニターに引っかかって、また僕は宙に浮いて、自分の足を見つめながら仰向けに倒れて、完全に気を失ってしまった。今回は、巨大な3本ネックのハート形のギターが僕の上に落ちてきたんだ!
目を開けると、今度はデイヴィッド・カヴァデールが僕の上に立っていて、“スティーヴン、大丈夫か? 大丈夫なのか?”と言っていたよ。
ステージでは時々、面白いことが起こる。
これは“2人のデイヴィッドの物語”と呼べるね!」