
George Harrison & Friends / The Concert for Bangladesh
1971年8月1日、
ジョージ・ハリスン(George Harrison)と
ラヴィ・シャンカール(Ravi Shankar)が、友人のスターたちと共に開催したチャリティーコンサート『バングラデシュ難民救済コンサート(The Concert for Bangladesh)』。この公演の模様を収めたライヴ作品のリイシューについて、ジョージの息子
ダニー・ハリスン(ダーニ・ハリスン/Dhani Harrison)が米Guitar Worldの新しいインタビューの中で語っています。
『バングラデシュ難民救済コンサート』は、この種のものとしては初の大規模な音楽ベネフィット・コンサートで、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで午後2時30分と夜8時の2回にわたって開催されました。
当時、東パキスタンのボーラ地方(今日のバングラデシュ)では、1970年に上陸したボーラ・サイクロンによる被害と、71年3月に勃発したバングラデシュ独立戦争の影響で、何百万人もの難民が飢えに苦しんでいました。その窮状について、シャンカールから教わったハリスンは深く心を動かされ、2人は『The Concert for Bangladesh』を開催しました。
当日は人道的目標のために協力する大物アーティストたちが一堂に会し、エリック・クラプトン、ボブ・ディラン、レオン・ラッセル、リンゴ・スター、ビリー・プレストン、バッドフィンガーほかが出演しました。
この模様を収めたライヴ・アルバム『The Concert for Bangladesh』は1971年リリース。コンサート映画は72年に公開されました。
息子のダニーによると、再発版のオーディオ版は完成しており、まだ誰も聴いたことのない2回目(夜公演)のコンサート全体もあるという。
また、映像版の修復にも取り掛かっており、ドキュメンタリー『ザ・ビートルズ:Get Back』(ピーター・ジャクソン監督)のために開発されたテクノロジーを使用しているとのこと。とても時間がかかるため、完成には何年もかかると話しています。
Q:『The Concert for Bangladesh』の再発版の状況はどうなっていますか?
「オーディオは完成した。素晴らしいアルバムだよ。2回目(夜公演)のコンサート全体も入手できた、これはまだ誰も聴いたことのないものだ。すべてを混ぜ合わせて同じ曲のヴァージョン違いを次から次へと並べるようなことはしたくない。そうすると、全体像が分からなくなってしまい、聴く楽しみが台無しになってしまうからね。
僕はむしろ、デモ(リハーサル)版を最初から最後まで聴いてから、本番版(1回目)を最初から最後まで聴き、それから2日目のヴァージョンを最初から最後まで聴きたい。
僕たちは、映像版の作業にも着手し始めた。ピーター・ジャクソンが『Get Back』で使用したものと同じ(AIの)アルゴリズムを使用している。ピーターと協力して修復に取り組んでいるけど、これにはとても時間がかかる。このようなプロジェクトを完成させるには何年もかかる。その間、僕自身のキャリアを築かないといけないしね。
(新しい音楽の制作は進んでいますか?)
ちょうど一区切りをつけるようなツアーを終えたばかりなんだ。僕の最近のアルバム『Innerstanding』(2023年)のリリースに合わせて、いくつかの公演を行ったんだ。来年は、トゥバ人のホーメイの達人であるバンド、Huun-Huur-Tuと数回の公演を行いたいと思っている。 彼らは本当に素晴らしいよ。
まだ発表していないプロジェクトがもうひとつある。英国音楽界のヒーローのひとりと共演するんだ。今はこれ以上は言えない。また、(ラヴィ・シャンカールの娘)アヌーシュカ・シャンカールとも少し仕事をしているし、ブルガリアのソフィア女声合唱団とも共演した。常に多くのプロジェクトが進行中なんだ」