
United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland: UK
英国政府は1月、チケットを不当に高額で転売する行為を取り締まるため、チケットの転売価格に上限を設定するという計画を発表。日本の公正取引委員会に当たる英国の競争・市場庁(Competition & Markets Authority/CMA)は先日、「二次的」なチケット価格に上限を設ける方針を支持すると表明し、実現に一歩近づいています。
英国政府の計画では、上限は、スポーツ、音楽、コメディ、演劇などのライヴ・イベント業界のチケットに適用される予定。
額面価格の10%を上限とする価格上限は、ダフ屋や転売プラットフォームがエド・シーランやオアシスなどの公演に高額なマージンを上乗せして販売することに対する国民の怒りに対応した労働党の2024年選挙マニフェスト公約のひとつでした。
転売は違法ではありませんが、上限が設定された場合、人気のある音楽ライヴや劇場への入場券を販売することで合法的に年間数億円を稼いでいるViagogoやStubHubなどのウェブサイトにとっては大打撃となることが予想されています。
今回のCMAの全面的な支持は、英国の文化・メディア・スポーツ省(DCMS)がこの政策を実行に移すかどうかという点において、重要な役割を果たす可能性があると、英国の新聞ガーディアン紙は指摘しています。
CMAはDCMSの諮問委員会への提出書類の中で、消費者は依然として二次市場で見られる行為に傷つき悩まされていると述べています。これには、転売目的の大量購入(時には違法)、ファンに正しい情報を提供しないことの怠慢、投機的販売(実際には手元にないチケットを、後で入手できることを期待して販売する詐欺的な行為)が含まれています。
CMAは、上限が適切に施行されれば、「消費者を過度な転売価格から保護する」ことができると述べています。
また、ソーシャルメディア上でチケットを販売するなど、消費者保証が適用されない可能性があるルール違反者に対して政府は厳格な措置を取らなければならないとも述べています。
さらに、転売サイトが利益の損失を補うために予約手数料を値上げする危険性についても警告し、これを阻止するための措置を新たな法律に盛り込む必要があるとも述べています。