
Oasis Credit: Simon Emmett
オアシス(Oasis)の再結成ツアー。日本の公正取引委員会に当たる英国の競争・市場庁(Competition & Markets Authority/CMA)は、チケットマスターが2024年夏に英国公演のチケットを販売した際、価格設定が不明瞭であったため、「一部のファンを欺いた可能性がある」と指摘し、消費者保護法に違反した可能性があると発表しています。
チケットマスターは、特定の座席を「プラチナ」と表示して販売していましたが、それらの席には追加の特典が一切なく、通常チケットと同じスタジアム内のエリアに位置することが多いものでした。CMAは、そのことを十分に説明することなく、ほぼ2.5倍の価格で販売したことは、消費者保護法に違反する可能性があると指摘しています。
消費者団体「Which?」は以前、ダイナミックプライシング(需要に応じて価格をリアルタイムで変動させる価格設定)が使用され、チケットの額面価格よりも何百ポンドも高い価格でチケットを購入したファンに対して、オアシスとチケットマスターは払い戻しを行うべきだと述べていました。
多くのファンは、オアシスのチケット販売時にチケットマスターがダイナミックプライシングを使用したと思っていますが、CMAはそのような証拠は見つからなかったと発表しています。
しかし、チケットマスターは、立見席を低価格で多数販売し、それらが完売すると、さらに多くの立見席をはるかに高い価格で販売していました。CMAは、ファンは2種類の価格帯の立見席のチケットがあることを知らされておらず、多くのファンが、自分が予想していたよりもはるかに高い価格を支払うことになることを理解しないまま、オンラインで長時間待たされたとも指摘しています。
CMAは「アルゴリズムを使用してリアルタイムで価格調整を行なったわけではありませんが、CMAは、立見席の価格設定がどのように機能するのかについて、消費者に明確かつタイムリーな情報が提供されていなかったことを懸念しています。特に、多くの顧客が利用可能なチケットを確認するために長い列で待たなければならなかった場合は、です」と述べています。
CMAが調査を開始して以来、チケットマスターはチケット販売プロセスの「いくつかの側面」に変更を加えましたが、CMAは「現時点では、これらの変更が懸念事項に対処するのに十分であるとは考えていない」とも述べています。
CMAは現在、チケットマスターと協議を行っているという。