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ハートのナンシー・ウィルソン「ベトナム戦争の時、自分たちをアメリカ人と呼ぶのがちょっと恥ずかしかった。今はもっと恥ずかしい」

2025/03/25 11:13掲載
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Nancy Wilson, photo courtesy of artist
Nancy Wilson, photo courtesy of artist
「今、アメリカ人であることは恥ずかしい」。ハート(Heart)のギタリスト、ナンシー・ウィルソン(Nancy Wilson)は、ベトナム戦争を米国にとって恥ずべき時代だったと振り返る一方で、今のアメリカの「淫らな大富豪カルチャー」を痛烈に批判し、今はアメリカ人であることが、もっと恥ずかしいと語っています。

ナンシーは、米ウィスコンシン州ミルウォーキーの新聞ミルウォーキー・ジャーナル・センティネル紙の新しいインタビューの中で、ハートの代表曲のひとつ「Crazy on You」について語りました。この曲は、ナンシーとアンのウィルソン姉妹が、1970年代初頭のアメリカにおけるベトナム戦争と社会不安によって引き起こされたストレスに応えて書かれたものでした。

「当時はベトナム戦争の汚い政治のせいで、自分たちをアメリカ人と呼ぶのがちょっと恥ずかしかった。できるだけ控えめに言っても、今はもっと恥ずかしいわよ」

またナンシーは、ハートのヒット曲「Barracuda」についても語っています。この曲は70年代に姉妹が経験した女性蔑視に焦点を当てたもので、ナンシーは、その歌詞が「サテンのジャケットを着た最低なゲス野郎」についてのものであることを語り、2025年の「“プッシー(女性器の俗語)を掴む(※トランプ大統領の過去の発言から)”ような考え方を持つ、卑猥な大富豪カルチャー」において、この曲はこれまで以上に的を射ているとも語っています。

「Barracuda」で記録された性差別が今日でもまだ蔓延していることに憤りを感じるかと尋ねられたナンシーは、こう答えています。

「文化における女性たちにとって、振り子は再び揺れ戻ってくると思います。そして、気難しい金持ちの白人オヤジたちの抑圧に抵抗する芸術のルネサンスが再び起こるでしょう。その次の革命が起こるまで生きていたいものです」