マライア・キャリー(Mariah Carey)は、1994年のクリスマス定番曲「All I Want for Christmas Is You(邦題:恋人たちのクリスマス)」をめぐる著作権侵害訴訟で勝訴。1989年の同名カントリーソングを盗用したとする訴えについて、ロサンゼルス裁判所のモニカ・アルマンディ判事は、専門家による証言を引用し、主張されている類似点は、この2曲が発表される前から使用されていた「クリスマスソングのありふれたフレーズ」を共有しているだけだと述べ、盗用したことを証明する十分な証拠がないため、訴えを却下しています。
1989年に同名の曲「All I Want for Christmas Is You」を発表したソングライター、アンディ・ストーン(aka ビンス・ヴァンス)と、共同作曲者のトロイ・パワーズは2023年11月に最初に提訴し、キャリーに対して「著作権侵害および不当利得」を主張し、2人は2,000万ドルの損害賠償を求めていました。
2曲の歌詞の分析を行った音楽学者でニューヨーク大学音楽学部教授、および音楽・舞台芸術学部の名誉学部長であるローレンス・フェラーラ博士は、2つの楽曲の間には「重要な旋律上の類似性は認められない」と証言しています。さらに、ストーンの楽曲よりも前に発表された「少なくとも19曲」の歌詞に類似したアイデアがあることを発見したとも述べ、そのうちのいくつかは「All I Want For Christmas Is You」というタイトルでもあったため、「All I want for Christmas is you」というフレーズはストーンのオリジナルではない、とも述べています。