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ジャズ・ファンクのレジェンド “キング・オブ・ヴァイブス” ロイ・エアーズ死去

2025/03/06 11:38掲載(Last Update:2025/03/06 12:02)
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Roy Ayers
Roy Ayers
「Everybody Loves The Sunshine」のヒットで知られ、数えきれないほどのアーティストにサンプリングされた、ジャズ・ファンクのレジェンド、“キング・オブ・ヴァイブス”ことロイ・エアーズ(Roy Ayers)が死去。彼のSNSアカウントで発表。84歳でした。

以下、声明より

「伝説的なヴィブラフォン奏者、作曲家、プロデューサーであるロイ・エアーズの家族は、長い闘病生活の末、2025年3月4日にニューヨーク市で亡くなったことを、深い悲しみとともに発表いたします。美しい84年の生涯でした。彼の死は深く惜しまれることでしょう。家族は、この時期にプライバシーを尊重してくださるようお願いしています。ロイの人生を祝う会は、今後開催される予定です」



ヴィブラフォン奏者、プロデューサー、作曲家として半世紀以上も一線で活躍を続けたロイ・エアーズは、キャリアを通じて、ジャズ・ファンクのパイオニアとしての地位を確立し、ネオソウル・ムーブメントにも大きな影響を与えた。「Everybody Loves the Sunshine」「Searchin」「Running Away」など数々のクラシックスを生みだし、コモン、メアリー・J・ブライジ、エリカ・バドゥ、ロバート・グラスパーなど、世代やジャンルを超えて多くのアーティストから敬愛を集めた。

ロイ・エアーズは1940年ロサンゼルス生まれ。音楽一家で育つ。5歳の時にライオネル・ハンプトンのビッグバンドを見て感銘を受け、ライオネル・ハンプトンからヴィブラフォン用のマレットを初めて手渡された。ピアノのレッスンを受け、教会の聖歌隊でも歌っていた。1962年にはビバップのサイドマンとしてレコーディングを開始し、翌年にはサックス奏者のカーティス・エイミーとデビューアルバム『West Coast Vibes』をリリースした。

彼はジャズ・フルート奏者のハービー・マンと組み、アトランティック・レコードから『Virgo Vibes』『Stoned Soul Picnic』『Daddy Bug』の3枚のアルバムを録音した後、ポリドールと契約し、多数のアルバムをリリースした。1973年には、パム・グリア主演のブラックスプロイテーション映画『コフィー』のサウンドトラックを制作し、高い評価を得た。

この時代に、彼は自身のバンド、ロイ・エアーズ・ユビキティ(Roy Ayers Ubiquity)を結成。1976年にはアルバム『Everybody Loves The Sunshine』を発表し、タイトル曲が大ヒットを記録。この曲は、ディアンジェロ、ジェイミー・カラム、ロバート・グラスパーなど、さまざまなアーティストにカヴァーされている。

その後数十年にわたり、彼はアルバムをリリースし、2000年代、2010年代にも音楽制作を続け、最終的にはハウスミュージックを試み、Uno MelodicとGold Mink Recordsという2つのレーベルを立ち上げた。最後のソロアルバム『Mahogany Vibe』は2004年にリリースされた。

彼のソロ曲やプロデュースした楽曲はメアリー・J. ブライジやコモンからタイラー・ザ・クリエイターやカニエ・ウェストまで、さまざまなアーティストにサンプリングされた。