「Everybody Loves The Sunshine」のヒットで知られ、数えきれないほどのアーティストにサンプリングされた、ジャズ・ファンクのレジェンド、“キング・オブ・ヴァイブス”こと
ロイ・エアーズ(Roy Ayers)が死去。彼のSNSアカウントで発表。84歳でした。
以下、声明より
「伝説的なヴィブラフォン奏者、作曲家、プロデューサーであるロイ・エアーズの家族は、長い闘病生活の末、2025年3月4日にニューヨーク市で亡くなったことを、深い悲しみとともに発表いたします。美しい84年の生涯でした。彼の死は深く惜しまれることでしょう。家族は、この時期にプライバシーを尊重してくださるようお願いしています。ロイの人生を祝う会は、今後開催される予定です」
ヴィブラフォン奏者、プロデューサー、作曲家として半世紀以上も一線で活躍を続けたロイ・エアーズは、キャリアを通じて、ジャズ・ファンクのパイオニアとしての地位を確立し、ネオソウル・ムーブメントにも大きな影響を与えた。「Everybody Loves the Sunshine」「Searchin」「Running Away」など数々のクラシックスを生みだし、コモン、メアリー・J・ブライジ、エリカ・バドゥ、ロバート・グラスパーなど、世代やジャンルを超えて多くのアーティストから敬愛を集めた。
ロイ・エアーズは1940年ロサンゼルス生まれ。音楽一家で育つ。5歳の時にライオネル・ハンプトンのビッグバンドを見て感銘を受け、ライオネル・ハンプトンからヴィブラフォン用のマレットを初めて手渡された。ピアノのレッスンを受け、教会の聖歌隊でも歌っていた。1962年にはビバップのサイドマンとしてレコーディングを開始し、翌年にはサックス奏者のカーティス・エイミーとデビューアルバム『West Coast Vibes』をリリースした。
彼はジャズ・フルート奏者のハービー・マンと組み、アトランティック・レコードから『Virgo Vibes』『Stoned Soul Picnic』『Daddy Bug』の3枚のアルバムを録音した後、ポリドールと契約し、多数のアルバムをリリースした。1973年には、パム・グリア主演のブラックスプロイテーション映画『コフィー』のサウンドトラックを制作し、高い評価を得た。
この時代に、彼は自身のバンド、
ロイ・エアーズ・ユビキティ(Roy Ayers Ubiquity)を結成。1976年にはアルバム『Everybody Loves The Sunshine』を発表し、タイトル曲が大ヒットを記録。この曲は、ディアンジェロ、ジェイミー・カラム、ロバート・グラスパーなど、さまざまなアーティストにカヴァーされている。
その後数十年にわたり、彼はアルバムをリリースし、2000年代、2010年代にも音楽制作を続け、最終的にはハウスミュージックを試み、Uno MelodicとGold Mink Recordsという2つのレーベルを立ち上げた。最後のソロアルバム『Mahogany Vibe』は2004年にリリースされた。
彼のソロ曲やプロデュースした楽曲はメアリー・J. ブライジやコモンからタイラー・ザ・クリエイターやカニエ・ウェストまで、さまざまなアーティストにサンプリングされた。