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最終的に詐欺事件となった『Fyre Festival』 第2回の開催が発表されたが今回も正当性に懸念の声 「存在しないイベント」 英紙報告

2025/03/05 13:28掲載
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Fyre Festival
Fyre Festival
オシャレな私有島に集う豪華な音楽フェスとして派手に売り出されたが、創設者である実業家の思い上がりとずさんな運営により未曾有の惨事に終わり、最終的に詐欺事件として創設者が有罪判決を受けた、2017年の『Fyre Festival』。悪夢から8年、新たに『Fyre festival 2』の開催が発表されましたが、英ガーディアン紙の報告によると、歴史を繰り返すことになりそうです。開催地と発表されているメキシコの観光当局および地元当局は、このフェスに一切関知していないと否定し、「存在しないイベント」と述べています。

2017年の『Fyre Festival』は、豪華な体験を期待してゲストが到着したものの、宿泊施設が不十分で、組織化もされておらず、音楽イベントも中止になるなど、すべてがまやかしだったことが判明し、話題となりました。後に「コーチェラよりもハンガー・ゲームに近い」とも評されました。

創設者のビリー・マクファーランドは詐欺罪で有罪判決を受け、6年の禁固刑を言い渡されました。その後、彼は約4年で釈放されました。ニューヨークの裁判所はまた、277人の参加者にそれぞれ7,220ドルを支払うよう命じました。この事件をテーマにしたドキュメンタリー『FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティー』がNetflixで配信されています。

『Fyre festival 2』は2月末に開催が発表されました。同フェスのウェブサイトでは、1,400ドルから110万ドルのチケットが販売されており、豪華ヨット、間もなく発表される予定のヘッドライン出演者、そしてジンベイザメとのダイビング、ミクソロジーセッション、サバイバルチャレンジなどの貴重な体験が提供されるという曖昧な約束が記載されています。報道によると、創設者のビリー・マクファーランドは今回、運営から身を引いており、フェスの運営はパートナー企業が担当しているという。

このフェスで具体的な情報は1つだけで、それはメキシコのリゾート島、イスラ・ムヘーレスで開催されるということだけでした。

しかし、イスラ・ムヘーレスの地元政府は、ガーディアン紙の取材に応じ、このフェスティバルについて何も知らないと否定しています。

イスラ・ムヘーレスの観光局のエドガー・ガスカは「私たちはこのイベントについて何も知らないし、また、この件に関して、いかなる個人や企業とも連絡を取っていない」「私たちにとって、これは存在しないイベントです」と語っています。

また観光局のガスカは、キンタナ・ロー州の観光大臣や、『Fyre festival』がウェブサイトで宿泊施設として挙げていたホテルとも話をしたそうですが、いずれもこのフェスについて聞いたことがないという返答だったとも語っています。

ガーディアン紙は、フェスが宿泊施設として約束していた高級ホテルのひとつに取材しましたが、「イベントに関するアプローチや問い合わせは一切受けていない」と述べ、現在調査しているという。

また、イスラ・ムヘーレスのアテナ・ゴメス・リカルデ市長は公聴会で、フェスティバルについてオンラインで見た以上のことは何も知らないと述べています。

観光局のガスカはこう続けています。

「主催者は当局に連絡を取ろうともしませんでした。これは非常に奇妙なことです。イベントを開催するつもりなら、ましてや大規模なイベントであれば、自治体の許可が必要であることは、どんな経営者でも知っているはずです。

彼らは、発表して反応を見極め、その途中で許可を申請すればいいと考えていたのでしょう。考え方が甘いと言わざるを得ません。

このフェスティバルは開催されないでしょう。至る所に赤旗が立っています。

彼らのウェブサイトにアクセスして、彼らが指定する座標をGoogleマップに入力すると、(カリブ海沿岸のキンタナ・ロー州にある都市)カンクンとイスラ・ムヘーレスの間の海にたどり着きますよ(笑)」

座標は「21°12'32.3"N 86°43'43.3"W」で。この場所は海の真ん中です。

『Fyre festival 2』の主催者はガーディアン紙に声明を送り、「地元当局と連絡を取り合っており、フェスティバルは予定通り開催される」と主張しています。

■『Fyre festival』公式サイト
https://www.fyre.mx/