ピンク・フロイド『The Wall』、キッス『Destroyer』、ルー・リード『Berlin』、アリス・クーパー『School's Out』などを手がけた著名な音楽プロデューサーの
ボブ・エズリン(Bob Ezrin)は米国の激しい政治的分断を理由に米国籍を放棄することを決意。手続きには時間がかかるようですが、すでに母国カナダに帰国しています。カナダの新聞グローブ・アンド・メール紙が伝えています。
カナダ・トロントで育ったエズリンにとって初めての米国訪問は家族旅行で訪れたニューヨークで、そこで観たミュージカルに魅了されたという。「僕は幼い頃からこの国に夢中でした」と同紙のインタビューの中で振り返っています。エズリンと彼の家族は1985年にロサンゼルスに移住しました。
しかし、そのロマンスも終わりました。米国とカナダの両方に国籍を持つエズリンは、米国の激しい政治的分断を理由に米国籍を放棄することを決意。手続きには時間がかかりますが、エズリンはすでにナッシュビルからトロントに戻っています。
エズリンは同紙にこう話しています。
「ここ数年、アメリカは真っ二つに分断されている。急進的な右派の声が非常に大きくなっている。陰謀論が蔓延し、人々は完全武装している。私が訪れた場所とはまったく異なる場所になってしまった」
米国のトランプ大統領がカナダとの貿易戦争を宣言し、カナダを51番目の州にしようという提案を打ち出し、その過程でカナダのジャスティン・トルドー首相を侮辱的に「知事」と呼んだ時、エズリンは、すでにトロントに戻る決意を固めていたという。エズリンはこう話しています。
「そのすべてが、私が決断したことの正しさを裏付けるものばかりでした。どこかで正義のために戦う時間を費やすのであれば、私はここで戦うべきなのです」