Cradle Of Filth's Dani Filth (Image credit: Venla Shalin/Redferns)
「Spotifyのアカウントを持つわけにはいかない。音楽業界の仲間たちに対しての義務だ。彼らはみんなに報酬を支払っていない。真っ昼間に堂々と泥棒に入るようなものだ。スーパーマーケットでは店内の商品をお金を払わずに勝手に食べることは許されないだろう。報酬なしでどうやってバンドが生き残れるというのか」と、英メタルバンドの
クレイドル・オブ・フィルス(Cradle of Filth) のフロントマン、ダニー・フィスはSonic Perspectivesの新しいインタビューで語っています。
「Spotifyのアカウントを持つわけにはいかない。メタルや音楽業界の仲間たちに対しての義務だ。彼らはみんなに報酬を支払っていない。それは彼らだけに限ったことではない。プラットフォーム全般の問題だ。
他のバンドや何かから自分のバンドを発見してもらえるという事実には感謝しているよ。そういう話は何度も聞いた。でも俺は古い考え方だから…バンドには報酬が支払われるべきだと考えている。支払われなければ、それはもはやバンドではないよ。
パンデミック以降、“なあ、ちゃんとした仕事に就くから、会う機会が減るよ。アルバムは作り続けるけど、たぶん5年に1回くらいだね”と言っているビッグバンドの仲間をたくさん知っている。
だってさ、真っ昼間に堂々と泥棒に入るようなものじゃないか。
もし君が(サンドイッチや持ち帰り用の西洋風惣菜を売る飲食店)デリカテッセンやスーパーマーケットを経営していたとする。店内の商品をお金を払わずに勝手に食べることは許されないだろう。
音楽は周りにたくさんあり、空気のようにそこにあるものだから、人々は音楽に対してそれ(無料)が当然の権利だと思っている。音楽に物理的に触れることはできない。でも、それ(報酬)なしでどうやってバンドが生き残れるというのか?
音楽業界はますます大きくなっているが、それは(一部のミュージシャンが収益を上げているからで、)テイラー・スウィフトや、俺たちが最近一緒に曲を作ったエド・シーランがいたからこそだよ。
映画に関しては、明らかに、映画業界は (海賊行為対策に) 本気で取り組んでいる。映画にはより多くのお金が関わっているからね。
イギリスではつい最近まで、映画が始まる前に“ビデオの海賊行為が映画業界を殺している”という広告がずっと流れていた。さらに、IMAXクオリティのサウンドで、刑務所のドアがバタンと閉まる音まで流していた。“海賊版の映画を視聴すれば刑務所行きだ”とまで言っている。
でも、音楽に関しては同じではない...昔は“家庭での録音は音楽を殺す”というメッセージがアルバムの裏に書かれていたけど、今では完全に野放し状態だ」
ダニ・フィルスがSpotifyを批判したのはこれが初めてではありません。2023年、彼はSpotifyを「世界最大の犯罪者」と呼びました。Rock Hard Greeceのインタビューの中で、こう話しています。
「2006年以降、どんどん悪化している。2006年は、ミュージシャンにとって快適な状況がすべて一変した年だったと思う。それ以前も必ずしも快適だったわけではないが。
デジタル時代の到来により、誰も報酬を得られない音楽ストリーミングプラットフォームが台頭し、状況はさらに厳しくなった。Spotifyのような企業は、世界最大の犯罪者だ。昨年、俺たちの楽曲は2500万から2600万回再生されたが、俺個人が受け取った金額は20ポンド(約4000円)ほどだった。時給よりも少ないよ」
Spotifyの広報担当者はその後、フィルスの主張に対して次のように回答しました。
「20ポンドですか!? Spotifyはクレイドル・オブ・フィルス楽曲のストリーミングに対して、クレイドル・オブ・フィルスの権利保有者に約100万ドル(約1億5千万円)の収益を支払っています。 Spotifyの支払いがバンドに届いていないと聞き、残念に思います」
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