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デヴィッド・リンチの訃報を受け、ダニー・エルフマンが長文の追悼コメント発表

2025/01/22 10:22掲載
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Danny Elfman
Danny Elfman
デヴィッド・リンチ(David Lynch)の訃報を受け、ダニー・エルフマン(Danny Elfman)が長文の追悼コメントを発表しています。

「デヴィッド・リンチ。何と言ったらいいのか。彼が亡くなったことは、言葉にするのも難しいほど、僕にとって大きな損失だ。今もまだ完全にショックを受けている。僕の頭の中は、1977年にロサンゼルスで開催された、今はもうなくなった映画祭『Filmex』に戻っている。友人であるマシュー・ブライトと僕は、必見のアンダーグラウンド映画『イレイザーヘッド』の真夜中のプレミア上映を“人づてに”聞いた。もちろん僕たちは行った。確か、その映画館はそれなりの規模だったけれど、満員というほどではなかった。映画が終わる頃には多くの人が帰ってしまい、ほとんど空っぽの状態になっていた。でも、僕と友人にとって、この映画は啓示だった。それは、心を奪うもので…素晴らしいもので…非常にユニークで、視覚的に見事で、恐ろしく、面白く、完全にオリジナルな作品に対する僕の反応を表現するには、いったいどれだけの形容詞を使えばいいのだろうか…。その瞬間から、このクレイジーな若い監督が次にどんな作品を創り出すのか、待ちきれない気持ちになった。

彼は期待を裏切らなかった。僕が“すべての作品が好きだ”と言える映画監督はほとんどいない。デヴィッド・リンチは、その一人だった。『エレファント・マン』の狂気じみた感情と視覚のコントラスト、そして象徴的でほぼ完璧な『ブルーベルベット』は、おそらく僕はすでに何十回と見てきたが、それだけで全てを物語っている。彼は真の“天才”の一人だった。また、作曲家のアンジェロ・バダラメンティ(2022年に惜しくも他界)との素晴らしい監督と作曲家の関係にも敬意を表したいと思う。バダラメンティは、リンチ監督とは『ブルーベルベット』以降の作品で共に仕事をし、歌手のジュリー・クルーズとの素晴らしいアルバムを含む、常に素晴らしい音楽を作り出していた。(1989年のアルバム『Floating into the Night』は、その年の僕のお気に入りだった。)

そして『ツイン・ピークス』。昔、自分のバンド、オインゴ・ボインゴでツアーをしていたとき、僕がこれまでにしたことの中で唯一のプリマドンナ的な行動は、『ツイン・ピークス』の新しいエピソードを録画し、ツアー中の僕たちに送るように強く要求したことだった。毎週ホテルにテープ・レコーダーを設置し、到着次第、観ることにしていた。家に帰るまで待ちきれなかったんだ....」